大人が歯を失う原因の第1位は?ランキング形式で紹介
大人が歯を失う原因を知っていますか?
パッと頭に思い浮かぶ原因と言えば、「虫歯」が出てくるのではないでしょうか。
しかし、虫歯のほかにも以下のような歯の症状を持つ人がいます。
「歯茎から出血しているのが気になる」
「歯がぐらついている」などです。
このような歯の違和感をそのまま放置しておくと、歯を失うことになってしまいます。
そこで今回は、歯を失う原因をランキング形式で紹介していき、以下の内容について解説していきます。
- 歯を失う主な原因
- 歯を失わないための予防法
- 歯を失ってしまった場合の対処法
この記事を読むことで、歯を失う原因を理解し、予防法や治療法を知ることができます。
「歯を失う原因を知りたい」「健康な歯を維持したい」人は、ぜひ参考にしてください。
目次
歯を失う主な原因
歯を失う主な原因をランキング形式で紹介します。
ランキングの順位は、厚生労働省の「生活習慣病予防のための健康情報サイト 歯の喪失の原因」を参考にしました。
さっそくみていきましょう。
第1位:歯周病
歯を失う主な原因1位は、歯周病です。
歯周病は、サイレント・ディシーズ(静かなる病気)と言われており、中高年層に多く見られます。
歯周病は、歯茎が炎症を起こす病気です。
初期段階は、痛みや自覚症状はありませんが、しだいに歯茎が出血したり、ブヨブヨにやわくなったりします。
最悪の場合、歯が抜ける恐ろしい病気です。
歯周病になる原因
歯周病になる原因は、以下のとおりです。
- 歯磨きの磨き残し
- 歯石の蓄積
- 甘いものの過剰摂取
- 喫煙
- 不規則な生活
ちなみに歯石とは、歯垢(食べ物のカス)が唾液によって石灰化し、硬くなったかたまりです。
そのまま歯周病を放置しておくと、細菌が歯茎内に侵入し、歯茎が歯を支えられなくなってしまいます。
第2位:う蝕(虫歯)
歯を失う主な原因第2位は、う蝕(虫歯)です。
う蝕は、虫歯菌によって歯が溶けてしまう病気で、若年層に多く見られます。
う蝕を治療する際は、う蝕の部分より大きく歯を削らなければいけません。
しかし、う蝕を放置しておくと、う蝕の範囲はどんどん広がっていきます。
最悪の場合、歯を抜いて神経を取り除く必要があります。
う蝕(虫歯)になる原因
う蝕の原因は以下のとおりです。
- 歯磨きの磨き残し
- 歯石の蓄積
- 甘いものの過剰摂取
歯垢には、虫歯菌が含まれているため、虫歯菌が酸をつくり、酸で歯を溶かしてしまうのが原因です。
第3位:破折
歯を失う主な原因第3位は、破折です。
破折は、若年層から中高年層まで幅広い世代に見られます。
歯の破折が大きい場合や神経に近い場所が破折した場合、そのまま放置をしておくと歯周病や虫歯につながる恐れがあります。
最悪の場合、神経に細菌が侵入してしまい、歯を抜く以外に神経も一緒に取り除かなければいけません。
破折する原因
歯が破折する原因は以下のとおりです。
- 体と体が衝突するスポーツ時
- 強い打撲や転倒
- 悪い噛み合わせ
- 強い力の噛み合わせ
- 硬い食べ物を噛んだ時
- 歯ぎしり
破折は、外傷だけでなく、悪い噛み合わせや特定の歯に大きな負担がかかった場合にも考えられます。
歯を失わないための予防法
歯を失わないために以下の予防法を理解しておきましょう。
- 正しい歯磨きの方法
- 定期的な歯科検診
- バランスの取れた食生活
- 生活習慣の見直し
詳しく解説していきます。
正しい歯磨きの方法
歯を失わないために正しい歯磨きをして予防しましょう。
歯磨きは、ただやればいいというわけでなく、歯を1本ずつ丁寧に磨く必要があります。
また、歯垢が溜まりやすい場所は、より丁寧に磨く意識が必要です。
とくに磨き残しがある場所の多くは、次のとおりです。
- 歯と歯の間
- 歯と歯茎の境目(歯周ポケット)
- 上下の歯と咬み合う面
- 奥歯の後ろ側
- 前歯の裏側
歯ブラシが行き届かない歯と歯の間には、歯間ブラシやフロスを使うのがおすすめです。
定期的な歯科検診
歯を失わないためには、定期的な歯科検診が必要です。
歯科検診は数ヶ月に1回行くのが理想ですが、少なくても年1〜2回は行くように心がけましょう。
歯科検診は、虫歯や歯周病のチェック、歯の掃除をしてくれます。
なので、定期的に検診を行えば、歯の状態を把握し、予防や早期治療ができます。
歯の悩みや相談がある場合は、すぐかかりつけの歯科医院に行ってみてください。
バランスの取れた食生活
歯を失わないために、バランスの取れた食生活を送りましょう。
バランスの取れた食生活をすると、総合的な免疫力を高めるほか、歯の強化にもつながります。
しかし、甘い食べ物を食べ過ぎたり間食が多かったりすると、自ら虫歯菌が増えやすい口腔環境を作ってしまいます。
そのため、バランスの取れた食生活を取りつつ、甘いお菓子やジュース、間食を控える努力をしましょう。
生活習慣の見直し
歯を失わないために、生活習慣を見直す必要があります。
たとえば、喫煙やストレス、不規則な生活は、次のようなリスクが考えられます。
- 喫煙→歯周病
- ストレス→歯ぎしりや食いしばりによる歯の破折
- 不規則な生活→虫歯
ちなみに、歯ぎしりや食いしばりにはナイトガードを利用すると、歯の負担を減らすことができます。
歯を失ってしまった場合の対処法
歯を失ってしまった場合は、以下3つの対処法があります。
- ブリッジ
- 入れ歯
- インプラント
それぞれの対処法のメリットを含めて、詳しくみていきましょう。
ブリッジ
歯を失った場合の対処法として、ブリッジ治療法があります。
ブリッジとは、失った歯の両隣に残っている歯を土台として、失った歯に人工の歯を被せてつなげたものです。
ブリッジのメリットは以下のとおりです。
- 噛み合わせが安定する
- 保険治療が可能なため費用が安く済む
- 口のなかの異物感が少ない
部分的かつ連続的に1〜3本歯が無くなった場合に、適用されます。
入れ歯
歯を失った場合の対処法として、入れ歯の治療法があります。
入れ歯とは、歯を支える床(ピンク色の土台部分)に、人工の歯を並べたものです。
入れ歯のメリットは、以下のとおりです。
- 取り外しができる
- 健康的な歯を削らなくて済む
- 保険治療が可能なため費用が安く済む
歯を全部失ってしまった場合は「総入れ歯」、部分的に歯を失ってしまった場合は「部分入れ歯」が適用されます。
インプラント
歯を失った場合の対処法として、インプラント治療法があります。
インプラントは、主に歯の根元から歯を失った場合に使用する方法です。
体になじみやすい人工の部品を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を取り付けます。
インプラント治療は、以下のメリットがあります。
- 残っている歯を削らなくて済む
- 歯が無くなった部分のみ治療できる
- 残っている歯の負担を軽減できる
- 天然の歯があるときと噛む力が変わらない
インプラントは歯を失う前と同じような見た目を手に入れることができます。
まとめ
今回は、歯を失う原因をランキングで紹介し、歯を失わないための予防法や対処法を解説してきました。
大人が歯を失う原因トップ3は、以下のとおりです。
- 歯周病
- う蝕(虫歯)
- 破折
食後の歯磨きはもちろん大切ですが、今回解説した「歯を失わないための予防法」を行動に移すことで、より歯を健康的に維持できます。
歯を失ってしまう原因をしっかりと理解し、歯と体の健康のために積極的に取り組みましょう。
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コラム監修者
- はぴねす歯科・矯正歯科 石橋駅前クリニック 総院長 野澤 修一
- 福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」、2022年11月に「尼崎駅前クリニック(兵庫県尼崎市)」を開院。現在は医療法人はぴねすの理事長として4医院を運営。