口ゴボの矯正治療

口ゴボとは

口ゴボは、口元が前方に突き出ている状態を表す言葉です。

横から見たときに、唇が鼻先と顎を結ぶ線よりも前に位置しているのが特徴です。

主な原因は、上顎や下顎の前突といった歯列や骨格の問題にあります。

口ゴボは審美的な観点から好ましくないと捉えられることが多く、見た目に自信を持てなくなる人もいるでしょう。

口ゴボは単なる見た目の問題ではなく、歯列や顎の位置に起因する症状であり、矯正治療を検討することで、審美面だけでなく口腔機能の向上も期待できると言えるでしょう。

口ゴボの原因

口ゴボの原因には、「先天的な要因」と「後天的な要因」の2つが考えられます

先天的な要因

口ゴボの原因には、生まれつき備わっている先天的な要因が大きく関与していると言えます。

つまり、遺伝的な特徴や骨格の構造が口ゴボに影響を与えています。

先天的な要因の中でも、特に重要なのが遺伝です。親や家族に口ゴボの特徴がある場合、その形質が子供に受け継がれる可能性が高くなります。

例えば、両親のどちらかが口ゴボであれば、子供も同じ症例となる確率が上がるでしょう。

また、上顎や下顎の骨格の大きさや位置関係も、口ゴボの原因となり得ます。

上顎が大きすぎたり、下顎が小さすぎたり、あるいは顎が前方に突出していたりすると、結果的に口元が前に出てくる状態になります。

後天的な要因

口ゴボの原因は、先天的な要因だけではなく、生まれた後に身につけた習慣や環境による後天的な要因も大きく関与しています。

日常的な行動パターンが、口ゴボの発現や進行に影響を与えているのです。

後天的な要因の中でも、特に注目すべきは習癖です。

長期間にわたるおしゃぶりや指しゃぶり、舌を前に押し出す舌癖、口呼吸などの習慣が、歯並びや顎の成長に悪影響を及ぼし、結果的に口ゴボを引き起こす可能性があります。

口ゴボの予防や改善のためには、口ゴボにつながる悪習慣を早期に発見し、適切に対処することが重要です。

特に成長期の子供の場合、習癖が顎の発達に大きな影響を与えるため、保護者が注意深く観察し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。

後天的な要因は、先天的な要因とは異なり、早期の対応によって口ゴボの進行を防ぐことが可能です。

口ゴボを治療するメリット

口ゴボを治療するメリットは4つあります。

• 自信を取り戻せる
• 口腔衛生管理が容易になる
• 口を閉じるのが楽になる
• 咬合が改善される

自信を取り戻せる

口ゴボを治療することで、外見に対する自信を取り戻すことができます。

口元の突出を改善することで、コンプレックスから解放され、自分の笑顔に自信を持てるようになります。

多くの人にとって、口ゴボは見た目に関する大きな悩みの一つです。

口元が前に出ているために、理想的な顔のバランスから外れてしまい、自分の外見に満足できないという理由からコンプレックスを抱えている人も少なくありません。

口ゴボの特徴である口元の突出が改善されれば、横顔のラインがスッキリとし、美しいシルエットを得ることができます。

また、正面から見た時の口元の印象も大きく向上し、歯並びが整うことで、笑顔に自信を持てるようになります。

口腔衛生管理が容易になる

口ゴボを治療することで、口腔内の衛生管理がより簡単になります。

歯磨きがしやすくなることで、虫歯や歯周病のリスクを減らし、口腔内の健康を維持しやすくなるのです。

口ゴボの状態では、口元が前方に突出しているために、歯ブラシが奥歯や歯の裏側に到達しにくくなります。

その結果、歯垢が取り残されやすく、虫歯や歯周病が発生するリスクが高まってしまう理由があります。

口を閉じるのが楽になる

口ゴボを治療することで、口を閉じた状態を維持するのが楽になります。

口元の突出が改善されることで、リラックスした状態で自然に口を閉じることができるようになります。

口ゴボの状態では、上下の歯が正しい位置で噛み合わないために、口を閉じるのに力が必要となります。

そのため、無意識のうちに顎に余分な力がかかり、顎関節に負担をかけてしまう理由があります。

咬合が改善される

口ゴボを治療することで、上下の歯の噛み合わせ（咬合）が改善されます。

歯並びが整うことで、食べ物を効率的に噛み砕けるようになり、顎関節や歯、歯茎の健康を維持しやすくなるのです。

口ゴボの状態では、上下の歯が正しい位置で噛み合わないために、咀嚼の効率が低下します。

そのため、食べ物が十分に細かくなるまで噛み砕けず、消化器官への負担が増加する理由があります。

口ゴボを放置するリスク

口ゴボを放置するリスクは4つ考えられます。

• 外見への自信が損なわれる可能性がある
• むし歯や歯周病になりやすくなる
• 顎関節に過度のストレスがかかる恐れがある
• 発音や話し方に影響を与える可能性がある

外見への自信が損なわれる可能性がある

口ゴボを放置すると、自分の外見に対する自信が損なわれる可能性があります。

口元の突出が目立つことで、自己イメージが悪化し、社交的な場面で不安を感じるようになるリスクがあるのです。

口ゴボの状態では、上下の歯のバランスが崩れるため、顔の印象が大きく変わります。

特に、上顎前突の場合、上の前歯が突出することで、鼻の下が長く見えたり、口周りが膨らんで見えたりすることがあります。

また、笑った時に出っ歯が目立ち、自分の表情に自信が持てなくなる理由にもなります。

むし歯や歯周病になりやすくなる

口ゴボを放置すると、むし歯や歯周病になりやすくなります。

歯の清掃が難しくなることで、虫歯や歯周病の原因となる細菌が蓄積し、口腔内の健康が損なわれるリスクが高まります。

特に、前歯の裏側や奥歯の噛み合わせ面は、ブラシの毛先が当たりにくい部分であり、歯垢が残りやすい場所でもあります。

この歯垢の蓄積が、むし歯や歯周病の発症につながる原因となるのです。

顎関節に過度のストレスがかかる恐れがある

口ゴボを放置すると、顎関節に過度のストレスがかかる恐れがあります。

上下の歯の噛み合わせが正しくないことで、顎関節や顎の筋肉に不自然な負担がかかり、顎関節症などの問題を引き起こすリスクが高まるのです。

特に、上顎前突や下顎後退による口ゴボの場合、下顎を無理に前方に移動させて噛み合わせようとするため、顎関節に大きな負担がかかります。

この状態が長期間続くと、顎関節の軟骨や靭帯にダメージを与え、顎関節症の原因となる可能性があります。

発音や話し方に影響を与える可能性がある

口ゴボを放置すると、発音や話し方に影響を与える可能性があります。

上下の歯のバランスが崩れることで、特定の音を正しく発音することが難しくなったり、滑舌が悪くなったりするリスクがあるのです。

上顎前突の場合、上の前歯が舌の動きを妨げ、「さ行」や「た行」などの発音が不明瞭になりやすいです。

また、下顎後退の場合は、舌が後方に下がりやすくなるため、「ら行」や「な行」などの発音が難しくなることがあります。