公開日:2021年11月10日
虫歯治療を行ったあとは、削った部分を修復するために詰め物や被せ物が必要になります。詰め物や被せ物には銀歯などの保険適用のものと、セラミックを使った自費のものがあり、それぞれ異なった特徴を持っています。保険と自費、どちらがいい?種類は?どんな特徴がある?と迷っている方、是非参考にしてください。
虫歯になると、歯を削って虫歯を取り除きます。そして悪くなった部分を取り除いたあとには削った歯の部分を修復する必要があります。その際に使われる素材には、保険が使えるものと全額負担である自費のものがあります。削った歯の部分を修復するという目的は同じですが、それぞれ異なった特徴があります。まずは保険適用と自費のものにはどんな種類があるのかを確認してみましょう。
健康保険が適用になると、安価に治療ができるというメリットがあります。しかし保険適用の素材はあくまでも「悪くなったところを最低限修復するためのもの」であり、審美性は重要視されません。
まずは保険適用となる詰め物や被せ物をご紹介いたします。
歯科用レジンは、白い素材です。最も汎用性が広く、小さな虫歯や浅い虫歯、少し欠けてしまった部分を補うなど修復しやすい素材です。デメリットは強度が弱く、汚れや水分を吸収しやすくいため年数が経つと黄ばみが目立ってしまうことです。
小臼歯や大臼歯が神経に近い部分まで虫歯が進行している場合、レジンでは対応できない場合があります。その場合、型取りを行って「インレー」という詰め物を詰めて削った部分を修復します。保険適用の場合、金銀パラジウム合金を使った金属の素材になります。
また神経を取り除いた歯は歯をたくさん削るため、虫歯を取り除いた後土台を立てて、被せ物を被せて機能を修復させます。保険適用の場合、選択肢は2つあり、そのうちのひとつが全て金属でできた被せ物です。強度があり、簡単に割れることはありませんので噛む力を必要とする奥歯に適しています。
金属は安価ですが、下の奥歯に金属があると、お口を開けたときにかなり金属が目立ってしまいます。
あまり見慣れない文字であるCAD/CAM冠とは、レジンとセラミックを混ぜた白い被せ物です。CAD/CAM冠は以前は使える部位がごく一部の歯に限られていましたが、最近では使える範囲が増えてきています。白い素材なのでお口を開けたときや笑ったときに金属が見えることがなく、審美面においては保険適用の中でいちばん優れています。ただレジンが混じっているため強度に劣り、固いものを噛むと割れてしまう可能性があります。
また汚れがつきやすく、しっかりと歯磨きしないと被せ物の周囲にプラークが付いてしまいます。プラークは虫歯や歯周病の原因であり、お口の中の状態が悪くなると数年で再治療や再作製となってしまいます。
自費の素材はその名のとおり、保険適用にならず、全額自己負担となります。歯科治療の自費素材はセラミックを基本としたものです。保険の素材と異なり、機能性だけでなく審美性も重視されるため、保険適用では再現できない美しい口元を取り戻すことが可能であることが大きな特徴です。
その名のとおり、全てセラミックで作られている被せ物です。前歯、小臼歯に適用します。非常に美しく自然な仕上がりです。ただ強度に若干不安があるため、強い負荷がかかるとセラミックが割れてしまう可能性があります。そのため嚙む力を必要とする大臼歯にはあまり向きません。
ジルコニアは、人工ダイヤモンドと呼ばれている素材であり非常に強度に優れています。ジルコニアとセラミックを混ぜたジルコニアセラミッククラウンは、セラミックの持つ美しさとジルコニアの強度を足したもので、非常に優れた素材です。前歯、小臼歯はもちろん大臼歯にも適しています。適応性という意味では、セラミックの中でも最高です。
デメリットは価格が高いことです。医院によって価格は異なりますが、セラミック素材の中ではいちばん費用が高いと言えます。
e-maxとはセラミックのひとつです。ニケイ酸リチウムガラスという成分が使われているセラミックで、強度と審美性に優れています。強度に優れているため、被せ物だけでなく詰め物にも適しています。e-maxは透明感に優れており、お口の中で自然な美しさを演出してくれます。
この他にもメタルボンドといったセラミッククラウンがありますが、メタルボンドは内側に金属のフレームが使われており、年数が経つと歯ぐきの黒ずみを引き出してしまうことがあること、金属アレルギーの心配があることから近年ではあまり使用されていません。
どれほど優れた素材であっても、人工の素材は天然の歯には適いません。しかし同じ治療をするなら、少しでも長持ちさせたい、再治療したくないと思われるのではないかと思います。
一般的に保険適用の素材の寿命はレジンの場合約5年、銀歯の場合は3~5年程度と言われています。レジンが意外と長持ちしますが、変色など劣化が起きると口腔内の審美性を下げるため、実際はもう少し寿命は短いかもしれません。
銀歯は耐久性はありますが、歯と銀歯の間にすき間が生じ、そこから虫歯菌が入り込んで虫歯になる二次カリエスのリスクが高くなります。そのため3~5年ほどで再治療が必要になるケースがほとんどです。
いっぽう自費のセラミック素材は耐久性と審美性に優れており、お手入れがきちんとできていれば10年以上維持することが可能です。中には20年以上維持できている方もいらっしゃいます。セラミック素材における銀歯との大きな違いは、歯にしっかりと密着するため二次カリエスになりにくいところです。
このことからも分かるように、目先の安さに捉われると再治療を繰り返し、結局費用が高くなることも考えられます。
ただし保険素材でもセラミックどちらも大切なことは、きちんと定期検診を受けることです。ご家庭でのセルフケアはもちろん、定期検診をきちんと受け、お口の中を良い状態に保っておくことが長持ちさせるコツと言えるでしょう。
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