公開日:2022年8月17日
私たちが毎日の食事を美味しくいただき、健康を維持できるのはしっかりと噛むことができる歯があるからです。もし歯を失ってしまったらどうでしょうか?見栄えが悪いだけでなく、噛み辛さを感じるのではないかと思います。美味しく食事をして体の健康を守るためには、歯を失わないようにしなければいけません。では歯を失わないようにするためにはどうすればよいのでしょうか。
大切な歯を失う2大原因は「虫歯」と「歯周病」です。虫歯は低年齢のお子さんから高齢の方まで幅広く発症し、歯周病は主に成人以降の年代の方に多く見られます。
以前は歯を失うといえば虫歯しか思い浮かばなかったと思いますが、そんなことはありません。今は歯周病という名で知られていますが、昔は歯槽膿漏と呼ばれ、年配の方だけに起きるイメージが強かったのではないかと思います。
虫歯と歯周病はそれぞれ違う細菌による細菌感染によって引き起こされます。虫歯はミュータンス菌を代表とする虫歯菌によって作られる酸によって歯が溶けていきます。歯が溶けていくにつれて痛みが増し、神経まで達すると激しい痛みを感じます。最終的には歯が溶けて根っこだけになり、歯としての機能を果たすことができず抜歯となってしまいます。
歯周病は歯そのものではなく、歯を支える歯周組織に炎症を引き起こす病気です。歯を溶かすわけではないので痛みはあまりありませんが、歯を支える歯槽骨が溶けてしまうので、歯がだんだん揺れ始めてきます。そして最終的に歯を支えることができず、歯が抜け落ちてしまいます。歯周病は歯を支える歯槽骨の吸収次第で一本の歯だけにとどまらず、短期間に多くの歯を失ってしまう可能性があります。
虫歯や歯周病によって歯を失ってしまったら、いったいどのような影響が出るのでしょうか。中には「歯が1本2本抜けたことで対して変わらない」と感じる方もおられるかもしれませんが、本当にそうでしょうか。
歯を失ってしまうと、まず咀嚼に影響が出ます。これまであった歯がなくなってしまうことで、噛みにくくなります。そして噛みにくいためあまり咀嚼をせずに食事をすると、消化不良を起こしやすくなります。消化不良を起こすと食べることに制限がかかり、栄養が取れなくなります。そういったことを繰り返すことでだんだん体の健康維持が難しくなってきて力が出ない、頭がぼーっとする、といった生活面に影響が出てきます。
また見た目も変わってきます。奥歯を失った場合、口元の筋肉バランスが崩れ、片側だけ口角が下がり気味になることもあります。また前歯を失うと、見た目が非常に悪くなります。
このように、歯を失うことで見た目と体の健康に対して悪影響が出てしまうことがお分かりいただけると思います。
歯を失った場合、まずは咀嚼機能を回復させる治療が必要になります。その選択肢として入れ歯、ブリッジそしてインプラントがありますが、どの治療法も一長一短があります。失って初めて歯の健康に気付かれるのではないでしょうか。
大切な歯を虫歯や歯周病から守るためには、毎日の丁寧な歯磨きが基本です。虫歯や歯周病の原因は、食べかすから作られるプラークです。プラークは食べかすの中にある糖分をエサにして作り出されます。プラークを作らないためにも食後必ず磨くのが理想ですが、生活サイクル上難しいこともあるかもしれません。ですがどれだけ忙しくても、寝る前の歯磨きだけは丁寧に行いましょう。
それに加え、歯の健康を維持するための定期検診やクリーニングも不可欠です。どれだけ丁寧に磨いても、3か月も経つとプラークは作られてしまいます。このプラークをきれいに取り除き、お口の細菌も減らして清潔な状態にするためには、定期的なクリーニングが最も効果的です。つまり虫歯や歯周病にならないためにあらかじめ「予防する」という意識を持つということになります。
ただ日本では未だに痛くなってから歯医者を受診するという流れが主流です。諸外国では予防治療が当たり前で、残存歯数も日本より諸外国のほうが多いというのが現状です。
予防治療では、患者さんに合った歯磨き指導や処置などが行われます。特に奥歯は自分では磨きづらいため、プラークや歯石がたくさん付いてしまっています。そのままにしておくと虫歯や歯周病を引き起こしてしまうので、定期的なクリーニングで取り除き、清潔なお口の中を維持しましょう。
歯は失ってはじめてその大切さを痛感されると思います。入れ歯などで咀嚼機能を回復することはできますが、天然歯と比べるとトラブルも多く、「歯を大事にすれば良かった」と後悔する結果になるのは容易に想像できます。
どの医院でも予防治療を受けることはできます。予防治療は定期検診という名前で行われている医院も多いことと思います。いつまでもご自身の歯で食事を楽しんで健康を維持するためにも、是非定期的なクリーニングは受けるようにしましょう。
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