公開日:2022年4月8日
歯医者さんへ行って歯石除去をしましょうと言われると、なんとなく面倒くさいな、と思いませんか?歯石除去は虫歯と違い、治療の必要性があるかどうか疑問に感じることもあると思います。しかし歯の健康を維持するためには、歯石除去は欠かせません。それはなぜでしょうか。今回は、歯石除去の重要性についてお話をいたします。
皆さんは、歯石がどういったものかご存じでしょうか。またよく耳にする歯垢やプラークとどのような違いがあるのかきちんと理解している方は案外少ないのではないでしょうか。まずは歯垢と歯石の違いについて知っておきましょう。
プラークとは、主に歯と歯ぐきの境目や歯の間に付いている、白くてネバネバした物質です。比較的柔らかい汚れですが、このプラークは細菌の塊で、この中に虫歯や歯周病の原因となる細菌が棲みついています。プラークが作られる原因は口内環境の悪さです。お口の中にはとてもたくさんの細菌が存在していますが、歯磨きがきちんとできておらず、お口の中が不潔な状態が続くことでプラークが作られてしまいます。
プラークは柔らかくてもうがいをするだけでは取れませんが、丁寧なブラッシングやフロスなどを使って取り除くことができます。
歯石とは、プラークが石灰化して固くなったものです。唾液の中の成分により、プラークが石のようになり、歯に付着します。歯石そのものは悪害はありませんが、歯石はざらざらとしており、さらにプラークが付きやすくなってしまいます。つまり歯周病を悪化させる手助けをしてしまうものと言えます。
歯石除去は、歯を削るような治療ではありません。また歯石が付いていても、痛みなどを感じることはないため、歯石除去を勧められてもピンとこないこともあるかもしれないでしょう。
しかし歯石が付いたままにしておくと、お口の中に深刻な影響を与えてしまいます。その影響とは、歯周病です。今では虫歯よりも歯を失う可能性が高いと言われている歯周病は、歯石がついたままにしておくことで発症リスクが高まってしまいます。
歯石が溜まるとその上にプラークが蓄積され、歯ぐきに炎症を引き起こしてしまいます。そのため歯肉炎や歯周炎といった歯周組織が腫れてしまいます。これがプラークであれば丁寧なブラッシングやフロス、歯間ブラシで取り除くことができますが、歯石になると歯ブラシで取り除くことができません。さらに歯石が付いていることに気づかずに、そのまま過ごしてしまうと歯の裏側に歯石がびっちりと付いてしまい、歯周病の発症や悪化を招いてしまいます。
歯周病はよく知られているとおり、虫歯よりも歯を失うリスクが高い病気です。歯周病は虫歯のように痛みをあまり感じないまま症状が進んでしまいます。そのため気が付くと歯が動いてる、嚙むと痛いといった自覚症状を感じる頃には、歯を残すことが難しい状態まで症状が悪化しているのです。そしてグラグラする歯のほとんどが、びっしりと固い歯石が付いてしまっています。
「あのとききちんと歯石を取っていれば・・・」と後悔してももう後の祭りです。
歯周病から大切な歯を守るためには歯石除去が欠かせないのです。
歯周病の悪化を招く歯石はどのようにして取ればよいのでしょうか。プラークは柔らかい汚れのため、丁寧なブラッシングで取り除くことができます。ところが歯石になってしまうと、歯ブラシで取り除くことはできません。
では付いてしまった歯石はどうやって取り除くのでしょうか。歯石はとても固いため、歯科医院で専用の機械や器具を使わないと取り除くことができません。最近は自分で取り除くための道具も販売されていますが、きれいに取り除くのは非常に困難です。また先端が尖っているため、誤って歯ぐきを傷つけてしまいかねません。
このようなトラブルを避けるためにも、歯石は必ず歯科医院で取り除くようにしましょう。国家資格を持った歯科衛生士が超音波を使った専用の機械で歯石を砕きながら取り除いていきます。
また歯の根元に付着した歯石は、手動用の器具を使って丁寧に取り除きます。自分では見えない部分の歯石を取り除くため、歯周病のリスクを抑えることができます。
歯科医院で歯石を取ったからといって、これでもう歯石が付くことはないだろうと思う方もおられるでしょう。しかし歯石はいちど取り除いても、再び蓄積されてしまいます。お口の中の環境や唾液の量にもよりますが、ほとんどの方は3~6か月くらいで新たなプラークや歯石が作られてしまいます。しかし定期的に歯石除去を受けることで、歯周病のリスクは抑えられます。
つまり歯を失うトラブルである歯周病を予防するには、痛くなくても定期的に歯科医院へ通うしかありません。痛くもないのに面倒だと思ってそのままにしておくと、数年後に後悔する結果を招きかねません。自分では問題がないと思っていても、定期的に歯石除去を受け、常にお口の中の環境を整えておくことがとても大切なのです。
大切な歯を「守る」という意識を持つことから始めてみましょう。
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