公開日:2021年5月14日
今も昔も、虫歯は歯のトラブルの中で最も起こりやすいトラブルであることに変わりありません。また性別や年齢を問わず起きるため、虫歯にお悩みの方も多いことと思います。
虫歯はある日突然できるわけではありません。虫歯ができてしまうのは、ただ単に甘いものばかり食べているからが原因ではないのです。虫歯は生活習慣によって作られてしまうのですが、虫歯になりやすい生活習慣とは、いったいどういったものなのでしょうか。
虫歯は、虫歯菌が出す酸によって歯が溶けていく病気です。歯の表面にあるエナメル質は非常に固く、ちょっとやそっとで削れることはありません。
そんなエナメル質が弱いのは、酸です。虫歯菌は磨き残しによって作られたプラークに棲みついて、酸を作り出し、エナメル質を少しずつ溶かしていきます。初期の虫歯はまだ痛みなどを感じないため、穴が開いていたり黒っぽく変色していることで「虫歯になったかも」と気付く方がほとんどです。
虫歯は放置しているとどんどん悪化し、痛みが出てきます。神経まで達した虫歯は我慢できる痛みではなく、子どもの場合は泣いて痛みを訴えられるでしょう。大人もこの痛みに耐えかねて歯医者を受診する方がほとんどです。
そして歯がすっかり溶けて根っこだけになると、土台を立てて差し歯にすることはできません。残念ながら抜歯となります。
最初に触れたとおり、虫歯は性別、年代を問わず歯がある限り起こりうる病気です。そして虫歯といえば、「甘いものの食べ過ぎ」と言うイメージが浮かぶのではないでしょうか。
確かにチョコレートや飴、キャラメルそしてケーキなどを好む人は、虫歯になりやすい傾向があります。しかし、ただ単にこういったものが好きだからと言って、100%虫歯になるとは限らないのです。
というのも、虫歯になるのは4つの要素が重なった時に発症すると言われているからです。そのためただ単に「甘いものばかり食べてるから虫歯になる」といった理由で虫歯になるわけではないのです。
虫歯になるのは4つの要素が重なった時と言われています。ではその4つの要素とは一体何なのかについてお話を進めていきましょう。
虫歯になる最大の理由は、虫歯菌の存在です。ほとんどの方のお口の中に虫歯菌は存在しており、虫歯菌が棲みついている全ての人が虫歯リスクを抱えていると言えます。
虫歯菌は離乳食の頃に感染しやすいと言われていますが、それ以外でも飛沫感染により虫歯菌がお口の中に入り込んでしまうと言われています。いちどお口の中に入り込んだ虫歯菌はずっと棲みついてしまうため、いちど虫歯菌に感染すると、虫歯リスクを抱えて過ごすことになります。
チョコレートなどの甘い物の摂り過ぎで虫歯になる可能性はありますが、その中で虫歯菌が大好物なのが「砂糖」です。砂糖をたくさん含んだ飲食物をたくさん摂ることにより、虫歯リスクが高まってしまいます。きちんと歯磨きができており、汚れや食べかすが残っていなければ大きな問題にはなりませんが、歯と歯の間などに食べかすが残ったまま過ごすと、食べかすの中にある砂糖を栄養源にして、虫歯菌やその他の細菌の活動が活発になってしまいます。つまり虫歯菌の「餌」になるのが砂糖なのです。
甘い物でも、虫歯菌が活動できないものであればいいですが、多くのものは砂糖が使われているため、砂糖をたくさん使った飲食物の摂り過ぎは虫歯の元となります。
私たちのお口の中は中性を保っていますが、食べたり飲んだりしたあとのお口の中は酸性に傾きます。飲食後には唾液の働きにより中性に中和されます。しかしずっと飲食を続けていると常にお口の中は酸性に傾いたままになり、虫歯菌が活動しやすい環境の手助けをしていることになります。
だらだらと長時間飲んだり食べたりしていることで、一気に虫歯リスクが高まってしまうのです。
歯の質によって、虫歯リスクが高まることがあります。例えば乳歯や生え変わったばかりの永久歯は成人の歯に比べてまだまだ弱いため、虫歯になりやすいと言えます。
またもともとエナメル質が弱い方も、虫歯リスクが高くなります。このように、歯質によって虫歯になりやすいことがあります。
またこれ以外にも、唾液の質も虫歯に関連します。唾液の中には虫歯菌の働きを弱める作用がありますが、唾液分泌が少ない人や、唾液の働きが弱い人は虫歯リスクが高まってしまいます。
甘い物を食べたからと言って、すぐに虫歯になるわけではありません。虫歯は生活習慣病の一種と捉えても過言ではありません。つまり日常生活の過ごし方によって、虫歯リスクは大きく異なってくるのです。
虫歯になりにくい生活としては、毎食後の歯磨きをきちんと行って虫歯菌の活動の場をなくすこと、飲食物を口にするときは、だらだらと長時間続けないことが大切です。特に乳歯や生えたばかりの永久歯があるお子さんに間食を与えるときは、量と時間を厳守しましょう。
またよく噛んで唾液をたっぷりと出すことも、虫歯菌の活動を弱めます。
砂糖を含んだものはほどほどに。歯磨きでお口の中を清潔にすることはもちろん、虫歯になりにくい生活習慣を意識しながら過ごすようにして下さい。
そして定期検診を欠かさず受診し、お口の中の健康を維持しましょう。
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