

歯並びのお悩みは皆さん個々に違いますよね。ちょっとだけ前歯が出ている、全体的に歯並びが悪い、後戻りしてきた・・・などそのお悩みは千差万別です。
矯正治療は、このようなお悩みを改善するための治療法ですが、患者さんによっては「部分的な矯正がいい」と希望される方も少なからずおられます。しかし症例によっては部分矯正では適応が難しく、全体的な矯正が必要になるケースがあります。では部分矯正はどのような症例に適応できるのでしょうか。
歯並びについてどんなお悩みが多い?
お子さんにしろ成人にしろ、歯並びが悪いと見た目にコンプレックスを感じることと思います。歯並びが良いと笑顔も引き立ち、なんといっても清潔感に溢れた笑顔は周りにもとても魅力的に映ります。
これに対し、口元にコンプレックスがある方は笑顔にあまり自信がないと思います。今はマスク生活で口元が見える機会は少ないですが、マスクがあってもなくても、やはり歯並びのコンプレックスを抱えたまま過ごすのではないでしょうか。
ではどんな歯並びのお悩みが多いのか、挙げてみましょう。
・デコボコした歯並び・・・叢生と言われる、ガタガタの歯並びや八重歯は、お悩みのナンバーワンといってもいいかもしれません。歯磨きがし辛く、プラークが溜まり虫歯や口臭の原因になりやすい歯並びです。
・出っ歯・・・出っ歯も非常に多いお悩みのひとつです。歯だけが前に出ている歯性のものと、上顎全体が前へ出ている骨格性のものに分けられます。前歯が出ていることで、横顔の美しさを表すEラインを乱してしまいます。
・受け口・・・受け口は下の歯が上の歯を覆っており、下顎が前方へ出ている不正咬合です。主に遺伝的要素が強く、比較的低年齢から兆候が出始めます。早い時期に適切な治療を行わずに成長すると、どんどん下顎が前方へ出て、横から見ると顎がしゃくれて見えてしまいます。
・歯と歯の間の隙間・・・いわゆる「すきっ歯」と呼ばれるものです。前歯だけにすき間があるものと、全体にすき間が見られるものがあります。特に前歯の隙間は間が抜けて見えるため、気になる方は多いのではないでしょうか。
・矯正治療後の後戻り・・・「以前矯正治療をしたけれど、最近なんだか後戻りしてきた気がする」という声も意外と多いものです。後戻りの原因はいくつか考えられますが、せっかく矯正をしたのに再び歯並びが乱れてきたことによるお悩みも少なくはありません。
この他にもオープンバイトや過蓋咬合などもありますが、上に挙げた症例はご自身で気付きやすく、目立つ場所だけにコンプレックスを感じやすい症例だと言えます。
部分矯正は前歯に特化した治療法
矯正治療には全体矯正と部分矯正があります。全体矯正とはその名のとおり、歯並び全体を動かす治療です。これに対し、部分矯正は気になる部分だけを治す治療法で、主に前歯に特化しています。前歯は犬歯から反対側の犬歯までの間を言い、この部分のお悩みを改善するのに適しています。
部分矯正によって歯並びを改善できる条件は「奥歯の噛み合わせに問題がないこと」「全体的に大きく歯を動かす必要がないこと」ということになります。
例えば軽度の前歯の歯並びの乱れや軽度の出っ歯、抜歯を必要としないケース、後戻りの再治療などは部分矯正に対応できる範囲内と想定できます。部分矯正で対応できれば費用も期間も抑えることができるため、短期間で綺麗な歯並びを手に入れることも十分可能です。
治療計画にもよりますが前歯を動かす場合、歯を並べるためのスペースが必要になります。そのため歯と歯の間をほんの少しだけ削ったり、顎の骨を広げる拡大床という装置を使うこともあります。
部分矯正で対応できないケースとは?
部分矯正は前歯に特化した治療法ですが、症例によっては全体矯正が必要になります。部分矯正で対応できないケースとしては、骨格が大きく関わっているもの、奥歯の噛み合わせに問題を抱えているもの、親知らずや昇給の抜歯がないとスペースが作れないことなどがあります。
特に受け口や骨格が原因の出っ歯などは、部分矯正では対応ができません。上顎を後方に下げるなど、全体にわたる治療が必要になるからです。また歯が変なところから生えていたり、顎の骨が小さいのに歯が大きい場合も、抜歯をしてから全体矯正が必要になるケースがほとんどです。
部分矯正か全体矯正か。まずは相談を
歯並びのお悩みを改善することで、笑顔に自信を持つことができます。また歯並びを治すことは歯の健康維持にも繋がるため、歯並びにお悩みがある方はまず歯科医師に相談してみましょう。
その際、全体矯正が必要なのか、部分矯正で対応できるかどうかなどよくお話をしてみて下さい。歯並びを治すことで得られるメリットはたくさんあります。まずは相談することから始めてみましょう。
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