公開日:2022年6月8日
歯を失う2大原因のひとつである歯周病は、年齢を重ねるごとにそのリスクが増していきます。
しかし歯周病にかかるのは、単に年齢だけが原因ではありません。
歯周病にかかりやすい要因というものがあり、その要因が多いほど歯周病リスクは高くなってしまいます。では歯周病かかりやすい人とはどんな人なのでしょうか。
歯周病になりやすい人は主に以下の3つの条件に当てはまっている方です。
自分が当てはまっているかどうかを確認して、もし気になるようであれば歯科医師に診てもらうのもいいでしょう。
口腔内に歯周病菌を保有していたり、繁殖させやすい環境を作ってしまうと歯周病のリスクが高くなります。
歯周病菌は、食べかすに含まれる鉄分やたんぱく質と歯周ポケットのような狭い隙間と相性が良く、繁殖しやすいです。
しかし、口腔内の歯周病菌は毎日の歯磨きを徹底することで対策できるので、気になる方は歯磨きをしっかりおこなうことを意識しましょう。
免疫力が低下している場合も歯周病になりやすいです。
免疫力が低下していると、歯茎の腫れや出血を起こしている歯周病菌に対しての抗原が弱いので、より悪化させてしまいます。
免疫力は日々のストレスや生活習慣と密接にかかわっているので、ストレスや生活習慣を見直してみると免疫力が低下しているかどうかがある程度予測できるでしょう。
生活習慣が乱れている方も歯周病になりやすいです。
睡眠時間や食事の栄養と時間、運動時間などが乱れているとストレスがかかったり、免疫力が低下したり、より歯周病菌が繁殖しやすかったりします。
そのため、生活習慣の乱れは歯周病のリスクを圧倒的に高めるでしょう。
歯周病になりやすい人の特徴についても解説します。
先ほど紹介した歯周病になる条件を引き起こす特徴ですので、以下の9つを自分に照らし合わせて確認しましょう。
歯磨きをしない人は歯周病のリスクが一気に高まります。
歯周病は食べかすから生まれる歯石や歯垢によって引き起こされる可能性が高い症状です。
そのため、歯磨きの仕方によって歯周病のリスクは変わってきます。
最も簡単にできる対策でもあるので、気になる方はいつもより歯磨きの時間を長くしてみたりすると良いでしょう。
喫煙習慣は歯周病ととても深い関わりがあります。タバコを吸うと血管が収縮し、歯ぐきに酸素や栄養素を送り届けることができません。
そのため血行不良となり、歯ぐきが腫れていても気づきにくく歯周病になっていることが見逃されやすいのが特徴です。
また歯周病菌による抵抗力も弱まっているため、重症化しやすいリスクを抱えてしまいます。
糖尿病にかかっている人も歯周病のリスクが高くなる傾向があります。
なぜなら糖尿病にかかると唾液の分泌が減少したり、免疫力が低下したりと歯周病菌の繁殖を抑えられないからです。
一方で、歯周病になると歯肉の炎症物質が血液を介して、インスリンの効果を悪くし、結果的に糖尿病を悪化させます。
このように歯周病と糖尿病には深い関係があり、どちらかを改善すると連動して症状が軽くなるので、まずは改善しやすい症状に絞って治療に取り組むといいでしょう。
甘いものが好きな人も歯周病のリスクが高まってしまいます。
なぜなら歯周病菌は甘いものに含まれる糖分を好み、糖分により繁殖するからです。
そのため、糖分をできるだけ控えるだけでも歯周病のリスクを軽減できるでしょう。
口呼吸をしている人も歯周病に注意しなければなりません。
実は歯周病の原因である歯周病菌は唾液によって殺菌されたり、除去されていたりするのです。
しかし、口呼吸を常にするようになると口内が乾燥し、殺菌効果を持つ唾液の分泌量が減少してしまいます。
そのため、口呼吸をしていたり、普段から何気なく口を開いている方は歯周病に注意しましょう。
歯ぎしりをする人も歯周病になりやすい特徴です。
直接的に歯周病と歯ぎしりには関係はないものの、歯軋りをすると歯茎に強い負荷をかけ続けます。
歯に負荷をかけ続けると徐々に歯肉が衰え始めて、間接的に歯周病を悪化させてしまう可能性が高いです。
歯ぎしりは原因が不透明なため、根本的な解決は難しいですが、マウスピースによって対策できるので、対策できることを覚えておきましょう。
歯並びが悪いと歯磨きが十分に行えず、汚れが残ったままになりプラークが作られやすくなります。
特に歯と歯が重なりあった部分はフロスを通しても汚れが残りやすくなるためプラークが溜まり、より歯周病のリスクが高くなります。
高血圧を抑えるための薬を服薬している人も歯周病に注意しなければなりません。
特に降圧剤や、抗癇癪剤、免疫抑制剤などの薬は副作用として歯茎が増殖するように腫れてしまう可能性があります。
発症率は1~2割程度と言われていますが、薬を服薬している以上リスクがついて回るので、認識しておきましょう。
女性は男性と比較して歯周病のリスクが高まるという特徴があります。
歯周病は女性ホルモンと関係が深く、特に女性ホルモンが大きく変化する以下の3つのステージには注意しなければなりません。
女性ホルモンが作られ始めたり、減少し始める思春期や更年期と大量に分泌される妊娠の際には歯周病のリスクも付きまといます。
そのため、この時期に当てはまる場合はできるだけ生活習慣を整えることを意識しましょう。
両親が歯周病である人も歯周病のリスクがあります。
実は親子で歯周病菌が遺伝するという特徴があり、注意しなければ歯周病になるリスクが高いです。
しかし、歯周病は歯周病菌が集まって発症するものなので、生活習慣や口内環境によって予防できます。
そのため、決まった時間にしっかりとした睡眠時間や栄養のある食事を取る生活を意識して送っていれば、歯周病とは無縁なので意識しましょう。
定期検診に行けていない人も歯周病の可能性が高まります。
歯周病菌は歯周ポケットという歯磨きやマウスウォッシュでは取り切れない小さな隙間で繁殖するのが特徴です。
そのため、定期検診に行って、歯科医師に都度確認してもらったり、歯周病菌を除去してもらう必要があります。
歯周病のケアをする際は定期検診がセットであることを認識しておきましょう。
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歯周病の症状についても解説します。
具体的な症状を解説するので、自分が歯周病かどうかの判断基準にしてください。
歯周病は、お口の中に棲んでいる細菌がつくりあげたプラークに寄り付いて毒素を出し、歯ぐきに腫れや出血という炎症を引き起こします。プラークは歯周病と虫歯の温床で、歯磨き不足によって作り出されます。
お口の中には無数の細菌が存在し、口内環境が整っていない状態で生産されます。プラークの栄養素は磨き残しによる食べかすで、食べかすが残っていると細菌が餌としてプラークを作ります。
そこへ虫歯菌や歯周病菌といった歯に大きなトラブルを引き起こす細菌が寄ってきて酸や毒素を出し、虫歯や歯周病を引き起こしてしまいます。
特に歯周病菌は歯周ポケットの奥深くに潜み、活動を活発化させます。健康な歯ぐきは歯周ポケットは浅く引き締まっていますが、歯周病になると歯周ポケットが深くなり、すき間から歯周病菌が入り込んで活動しやすい環境を作ります。
このように、歯周病の最も根本的な原因は歯磨き不足によるプラークなのです。
歯周病になると歯茎の赤みや腫れ、出血、口臭、口の中がネバネバしたりといった症状が挙げられます。
また歯が浮いたような感じがしたり、歯並びが変わったような感じがしたりもするでしょう。
症状が軽い場合だとなかなか気付きにくいですが、歯磨きをして出血する機会が多くなったり、歯茎が明らかに黒ずんでいると歯周病の可能性が非常に高いです。
そのため、すぐに歯科医師に診てもらうようにしましょう。
歯周病の予防や対策方法は主に以下の2つが挙げられます。
簡単にできるものばかりですので、少しづつ改善していきましょう。
歯周病の予防には食生活や生活習慣の見直しが最も効果的です。
具体的にはストレスがかからないように対策したり、決まった時間に栄養のバランスが整った食事をしたり、決まった時間に睡眠時間をしっかり確保したりすることが挙げられます。
他にも血管を収縮させて、歯周病への抵抗力を下げてしまう禁煙も避けたほうがいいので、まずはできる部分から対策を始めましょう。
毎日のセルフケアも歯周病の対策として効果が高いです。
具体的におこなうべきセルフケアとしては、歯周病の原因になる歯垢を正しい歯磨きやマウスウォッシュによってできるだけ落とすと効果があります。
他にも余裕があれば歯間ブラシで歯の間の歯垢も落としてみましょう。
ただし、どうしてもセルフケアだけでは歯周ポケットの歯垢や歯石までは除去しきれないので、定期的に歯科医院に足を運ぶようにすると良いです。
歯周病になりやすい要因をお話しました。歯磨き不足だけでなく、ご紹介したような要因が加わることでより歯周病リスクが高くなってしまいます。歯周病が悪化すると歯が揺れたり抜けてしまいますが、「歳だから」「今更歯がなくても気にしない」と安易に考えていると、歯を失うだけでは済まなくなってしまいます。
というのも、歯周病は全身疾患にも深く関わると報告されているからです。特に糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、妊婦による切迫早産や低体重児出産といった重篤な症状に繋がる恐れがあります。
歯周病は誰でも罹患してしまうものであり、日常的な病気として知られています。しかしリスクファクターを取り除くことで、そのリスクを低減させることは可能です。
毎日の歯磨きや定期検診に加え、ご自身のお口の中や生活習慣が歯周病を悪化させるものでないかどうか、いちど振り帰ってみてはいかがでしょうか。
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