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ハピネスcolumn

公開日:2022年8月5日

歯周病は完治しない?悪化させないために大切なこととは?

歯周病は完治しない?悪化させないために大切なこととは?

虫歯と並んで歯を失う原因のトップと言われている歯周病は、自覚症状をあまり感じません。そのため歯周病と診断されたにもかかわらず、積極的に治療を行わずに悪化させてしまう方もいらっしゃいます歯周病は完治しにくいと言われていますが、悪化させないためにはどうすれば良いのでしょうか。

なぜ歯周病は悪化しやすいの?

歯周病は、歯そのものではなく歯ぐきや歯槽骨といった歯を支える歯周組織に炎症が起こる病気です。進行すると歯を支える歯槽骨が吸収して歯を支えることが困難になり、ぐらぐらと揺れ始めます。そしてさらに歯槽骨の吸収が進むと歯を支えられなくなり、抜け落ちてしまいます。

ここまでの過程において、痛みを感じることはあまりありません。歯周病が進行してグラグラし始めると噛んで痛いという症状が起こりますが、それまでは虫歯のような強い痛みをあまり感じることはありません。

これが歯周病の怖いところです。虫歯の場合、しみる、痛いといった症状が起こるため虫歯になったかも?と気づきやすいですが、歯周病は歯そのものが溶けることはありません。歯ぐきに炎症は起こりますが、虫歯のように鋭い痛みを感じることはほとんどないため、自覚症状として気づきにくいのです。

歯周病は、歯周病菌が出す毒素によって歯周組織に炎症が起こりますが、気づかないまま症状が悪化してしまうため、歯が揺れ動き始めていることで気づくことが多いのです。そのため歯周病なってしまっていること、悪化して歯を保つのが難しい状態であることに気付きにくいのです。

歯周病は完治することはないの?

歯周病は、大きく分けて歯ぐきだけに軽い炎症が起きている「歯肉炎」と、歯を支える歯周組織に炎症が広がっている「歯周炎」があります。どちらも歯周組織に炎症が起きているため、全体をまとめて「歯周病」という括りと定義されています。

歯周病の中でも歯ぐきだけに炎症が起こる歯肉炎は、比較的完治しやすいです。歯と歯ぐきの境目に残るプラークが原因で歯ぐきが腫れる歯肉炎は、大人だけでなく小さなお子さんでも起こります。特に思春期と呼ばれる時期や妊娠中の女性はホルモンバランスの影響で歯肉が腫れやすく、しばしば歯肉炎が起こりますが、炎症が歯槽骨にまで広がっていない場合、丁寧なブラッシングで完治させることが可能です。

いっぽうの「歯周炎」は、炎症が歯ぐきだけでなく歯槽骨にまで及ぶ状態を言います。程度が軽ければ歯周病の進行を止めることは可能ですが、いちど吸収された歯槽骨は元に戻すことは不可能とされています。そのため、いちど歯周炎になって歯槽骨の吸収が起こり始めたら、完治させることは難しいと言えるでしょう。

歯周病になってしまった場合、悪化を防ぐことはできる?

歯周病は自覚症状をあまり感じないまま症状が進んでいきます。初期症状としては、歯肉炎同様歯ぐきの腫れと出血が起こります。歯肉炎の場合は丁寧なブラッシングで改善することができますが、成人の場合、ほとんどの方が歯周病菌が存在します。そのため歯肉炎から歯周炎へと移行、症状が進行しやすくなるのです。

では歯周炎になると悪化を防ぐことはできなくなるかというと、必ずしもそんなことはありません。いちどなってしまった歯周炎の場合、歯槽骨の吸収が見られない初期段階なら適切な処置を継続することで進行を止めることは可能です。その適切な処置とは、歯石除去やクリーニングです。この処置を行うことで歯周病の温床となるプラークや歯石を取り除き、歯周病菌が活動しにくい環境へと改善させることが可能です。

しかしここで適切な処置を受けずにいると、歯周病は知らない間に進行し続けます。歯ぐきの腫れや出血だけにとどまらず、炎症が歯槽骨まで広がることで当然症状は悪化します。

歯周病の進行を食い止めるのは、歯石除去やクリーニングしかありません。痛くもないのにこのような処置を受けるのは面倒と思うかもしれませんが、失って後悔することを考えてみて下さい。歯周病が怖いのは一本の歯だけを失うのではありません。炎症が広範囲におよぶと、歯を支えらられなくなって数本の歯を一気に失ってしまう可能性も十分考えられます。歯をたくさん失うと、食べることが困難になります。入れ歯やブリッジといった治療が必要になり、かえって費用もかかってしまいます。そして何より、自分の歯で食べる楽しみを失ってしまうのです。

また歯周病は糖尿病や心疾患など、体の健康とも深く関わりがあると言われている怖い病気です。歯だけでなく全身の病気にも影響のある歯周病は「サイレントキラー」とも呼ばれています。まずは歯周病の怖さをしっかりと理解しておく必要があります。

歯周病の悪化を防ぐためには定期的な歯石除去とクリーニング

歯周病は、成人のほとんどの方が罹患する病気です。「年だからある程度は仕方ない」と思わず、歯の健康維持のためには定期的な歯石除去やクリーニングが欠かせません。口内にある細菌をできるだけ除去し、清潔な環境を維持することが歯周病の悪化を防ぐ唯一の手段です。完治することがないからと簡単に考えず、悪化させないことを第一に考え、定期的な歯石除去やクリーニングは必ず受けるようにしましょう。

 

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