インプラントがある場合は歯列矯正できない?できないケースを紹介

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「インプラントをしていると矯正治療ができない」と考えている人も少なくありません。

皆さんのなかにも、「インプラントをしてしまったから」と矯正治療を諦めた方がいるのではないでしょうか。

実はインプラントをしていても、矯正治療ができるケースがあります。

そこでこの記事では、以下のトピックについて解説します。

  • インプラントをしていても矯正ができるか
  • インプラントをした後に矯正できるケースとできないケース
  • 「インプラント矯正」の方法やメリット・デメリット
  • インプラント矯正ができないのはどんなケースか

この記事を読むことで、インプラント後の矯正治療についての知識が身につくでしょう。

「インプラントをしているけれど美しい歯並びを手に入れたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

インプラントがあっても矯正はできますか?

インプラントがある場合でも歯列矯正は可能ですが、インプラント歯は動かせません。

天然の歯とインプラント歯の大きな違いは、「歯根膜(しこんまく)」という組織があるかどうかです。

歯根膜は、歯と「歯槽骨(しそうこつ)」と呼ばれるあごの骨をつなぐ組織のことで、センサーのような役割を果たしており、圧力が加わると、伸びたり縮んだりします。

矯正した場合、ワイヤーなどによって歯に圧力がかかるため、歯根膜が伸び縮みして歯槽骨に「骨吸収」が起こり、歯が移動する方向へと少しずつ歯槽骨が吸収されます。

一方、矯正によって圧力がかかっていない側では新しい骨が作られる「骨形成」が進み、それによって歯は新しい位置へと移動していくのが、矯正の仕組みです。

しかし、インプラントは顎の骨に直接固定されているため、ワイヤーなどの圧力が加わっても動きません。

この性質を利用して、インプラント歯を「固定源」として利用し、ほかの歯を動かすことで矯正治療が可能になります。

インプラントが入っている場合に矯正治療ができないケース

インプラントが入っているために矯正治療ができないケースは、以下の3つです。

  • 動かしたい歯列にインプラントがある場合
  • 矯正治療が広範囲にわたる場合
  • インプラント治療中または治療直後

それぞれについて、詳しく解説しましょう。

動かしたい歯列にインプラントがある場合

矯正治療で動かしたい歯の導線にインプラントがある場合は、矯正治療ができません。

インプラント歯は顎の骨に固定されており、動かせないためです。

たとえば前歯にインプラントがある場合、前歯は動かせないため、その周囲の歯を動かして歯並びを整えます。

反対に奥歯にインプラントがある場合は、前歯の移動が可能なので、前歯や噛み合わせの調整を中心にした治療が可能です。

矯正治療が広範囲にわたる場合

インプラントをしている場合、広範囲にわたる矯正治療は行えません。

インプラントが歯列矯正の妨げになるケースがあるためです。

まずは矯正治療をすべて完了させたのちにインプラントを行うのが望ましいでしょう。

インプラント治療中または治療直後

インプラントの治療中、もしくは治療直後も矯正治療には適していません。

インプラントの治療中や治療直後は、インプラント歯と顎の骨がまだ結合されていません。

そのため、矯正の圧力が加わると、インプラント歯が動いてしまう恐れがあります。

インプラントが顎の骨としっかり結合するまでの目安は、上あごで4〜6ヶ月、下あごで3〜4ヶ月程度です。

その間、過度な負荷がかけられないため、矯正治療は行えません。

インプラントが入っている場合に矯正治療ができるケース

インプラントが矯正治療の邪魔にならない位置に入っている場合は、矯正治療が可能です。

たとえば奥歯にインプラントが入っている状態なら、前歯の矯正治療は行えます。

ただし、前歯にインプラントがある場合は、前歯の矯正治療はできません。

このようにインプラントが入っていても矯正治療できるかどうかは、インプラントの場所と矯正したい箇所が大きく関係します。

インプラント矯正とは?

インプラント矯正とは、「歯科矯正用アンカースクリュー」と呼ばれるインプラント用の小さなネジを顎の骨に埋め、それを固定源として矯正を行う方法です。

埋め込まれたアンカースクリューは、矯正治療終了と同時に撤去されます。

ちなみに、一般的な「インプラント治療」は、失った歯の代わりに歯根と一体になった義歯を取り付ける治療なので、インプラント矯正とは全く異なります。

インプラント矯正のメリット

インプラント矯正は、従来の矯正治療よりも効率がよく、短期間で治療できるというメリットがあります。

また、使用する矯正専用のアンカースクリューは、非常に細くて短く、歯茎に埋めるときも痛みや出血はほとんどないため、身体への負担がほとんどありません。

さらに、動かしたい歯にだけアプローチできるという点も大きなメリットです。

歯列全体を自在に動かしたり、特定の歯だけを移動させたりといった、従来の矯正治療では対応が難しかった症例にも適応できます。

インプラント矯正は抜歯をせずに矯正できるケースもあるため、自分の歯を失うことなく美しい歯並びが手に入ります。

インプラント矯正ができないケース

インプラント矯正ができない可能性があるのは、以下のケースです。

  • 成長段階にある未成年
  • 全身疾患がある場合
  • 口腔内の衛生状態が悪い場合

それぞれについて、詳しく解説します。

成長段階にある未成年

成長段階にある未成年は、顎の骨が成長段階のため、インプラント治療が受けられない場合があります。

顎の骨が未発達の状態でインプラント治療を行うと、顎が成長した際にインプラントの位置がずれてしまう可能性があります。

また、インプラントを行うことで顎の成長が阻害される恐れもあるでしょう。

顎の骨の成長には個人差があるため、未成年でインプラント矯正を希望する場合は、歯科医院の詳しい検査を受けて、インプラント矯正が可能かどうかを判断してもらいましょう。

全身疾患がある場合

重度の糖尿病や腎疾患、骨粗しょう症といった全身疾患がある場合、治療が受けられない可能性が高くなります。

たとえば糖尿病の場合、身体全体の治癒力を低下させるため、インプラント矯正を行うと、口腔内の感染リスクが高くなる恐れがあります。

腎疾患で血液透析を行っている場合、免疫力が低下するため感染リスクが増加するため、インプラント矯正ができない可能性があるでしょう。

骨粗しょう症で骨密度が低下している場合は、インプラントの固定が困難なため、治療ができないケースがあります。

このほか、免疫不全をはじめとした血液の病気や免疫不全、6ヶ月以内に心筋梗塞の発作や脳梗塞を発症している人も、インプラント治療が受けられないことが多いでしょう。

また、インプラント矯正はある程度の時間がかかるため、妊娠中の人にも推奨はされていません。

口腔内の衛生状態が悪い場合

歯周病や虫歯があるなど、口腔内の衛生状態が悪い場合も、インプラント矯正ができないことがあります。

重度の歯周病や虫歯がある場合、インプラントを埋め込んだ後に「インプラント周囲炎」を起こすリスクが高くなります。

インプラント周囲炎が悪化すると、顎の骨が解けてアンカースクリューやインプラントが落ちてしまいかねません。

歯周病や虫歯がある人は、先にそちらの治療をしてからインプラント矯正を行うのが一般的です。

インプラント治療後でもまずは歯科医師に相談

インプラント治療後の矯正や、インプラント矯正を希望する場合は、必ず事前に歯科医師に相談しましょう。

歯科医院では治療の前に、以下の検査を行います。

  • カウンセリング
  • 口腔内の診察
  • レントゲン撮影
  • 歯並びや顎の状態の確認

これらの診察を行ったうえで、治療が可能かどうかを判断してくれるでしょう。

万が一矯正ができない場合でも、そのほかの治療法を提案してくれます。

歯や口腔内、身体の状態に適した治療計画で矯正を進めるためにも、必ず矯正の専門医もしくは矯正治療の経験が豊富な歯科医師を選ぶようにしましょう。

まとめ

インプラント後でも矯正治療によって歯並びを美しくすることは可能です。

矯正治療のひとつとして、治療期間の短い「インプラント矯正」もおすすめです。

ただし、インプラントの場所によっては、矯正治療が行えないこともあります。

また、インプラント矯正も、年齢や身体の状態によっては推奨されないケースもあるので注意しましょう。

矯正治療が可能かどうかは、歯科医師に詳しい検査をしてもらわなければわかりません。

インプラント後の矯正治療を考えている方や、インプラント矯正を希望する方は、まず矯正経験の豊富な歯科医師に相談してみましょう。

 

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野澤修一

コラム監修者

はぴねす歯科・矯正歯科 石橋駅前クリニック 総院長 野澤 修一
福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」、2022年11月に「尼崎駅前クリニック(兵庫県尼崎市)」を開院。現在は医療法人はぴねすの理事長として4医院を運営。