歯石はなぜ取るべき?歯石除去が大切な理由と放置するリスク

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「歯石ってなぜ取らないといけないの?」

「歯石を放置するとどうなるの?」

歯石が歯にとって良くないと知りつつも、痛みがないからと放置している方も多いのではないでしょうか。

歯石は放置すると、歯周病や虫歯が進行したり、口臭の原因になったりします。

そのため、早めに除去した方が良いといえるでしょう。

そこで本記事では、以下の内容について説明します。

  • 歯石とは?
  • 歯石を放置するとどうなる?
  • 歯石を取るべき理由
  • 歯石除去の方法

歯石を取るべき理由や、歯石の取り方を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

歯石とは?

歯石とは、歯垢(プラーク)が唾液中のカルシウムを取り込んで、石灰化して硬くなったものです。

歯茎から上につく歯肉縁上歯石と、歯茎の中につく歯肉縁下歯石があり、表面はザラザラしています。

歯垢(プラーク)が歯石になるまで約48時間かかるといわれており、1度歯石になると歯ブラシでは落とせません。

そのため、日頃から歯垢(プラーク)が溜まらないように丁寧なセルフケアが必要です。

また、定期的に歯科医院を受診して、ついてしまった歯石は早めに除去してもらいましょう。

歯石と歯垢(プラーク)の違い

歯垢(プラーク)とは、食べかすをエサにして細菌が増殖して塊になったもので、歯石になる前段階のものです。

歯垢(プラーク)の中には、1㎎あたり数億の細菌が含まれており、虫歯や歯周病の主な原因です。

一方、歯石の中に含まれている細菌は死滅しているため、虫歯や歯周病の直接的な原因にはなりません。

しかし、歯石の表面はザラザラしており、歯垢(プラーク)が溜まりやすい環境を作り出してしまう特徴があります。

その結果、虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。

歯石を放置するとどうなる?

歯石を放置すると、以下の5つのリスクが高まります。

  • 歯周病の進行
  • 虫歯の発生・悪化
  • 口臭の原因
  • 歯茎の腫れや出血
  • 歯の着色

順番に説明します。

歯周病の進行

歯周病とは、細菌の感染が原因で歯ぐきに炎症を起こし、やがて歯を支えている骨が溶ける病気です。

歯を支えている骨が溶けることによって、歯がグラグラして最終的には抜けてしまいます。

主な原因は歯垢(プラーク)の中に含まれる細菌です。

歯石の表面はザラザラしているため、歯垢(プラーク)が溜まりやすくなり、歯周病を進行させてしまうでしょう。

歯垢(プラーク)を溜めにくい環境を作るためにも、歯石は早めに除去することをおすすめします。

虫歯の発生・悪化

歯石の表面はザラザラしており、歯垢(プラーク)が強固につきやすく、歯ブラシで落としにくいという特徴があります。

歯垢(プラーク)の中には、虫歯の原因となる細菌も多く含まれており、歯石が原因で虫歯菌が増えると、虫歯のリスクが高まります。

虫歯は歯周病と並び、歯を失う2大疾患のひとつとされているため、発生や悪化をさせないためにも、歯石は除去した方が良いでしょう。

口臭の原因

細菌は繁殖するときにガスを発生させますが、そのガスが口臭の原因です。

歯石が多ければ多いほど、歯垢(プラーク)もつきやすくなり細菌も多く繁殖するため、口臭のリスクが高まる可能性があります。

歯石が溜まる前に定期的に歯科医院で除去してもらいましょう。

歯茎の腫れや出血

歯石によって歯垢(プラーク)が溜まることで、細菌が繁殖して歯茎が炎症を起こします。

通常、歯茎はピンク色でキュッと引き締まっていますが、炎症を起こすことで赤く腫れたり出血したりしてしまう可能性があるのです。

特に、歯磨きの際に歯ブラシが当たって痛い、出血する場合が多いでしょう。

出血するからといって歯磨きをやめると、さらに細菌が繁殖して歯茎が炎症を起こします。

やわらかい歯ブラシで優しく磨くよう意識すると良いでしょう。

歯の着色

歯石の表面はザラザラしているため、汚れや着色がつきやすくなり、歯ブラシでも落としにくいです。

口元は見た目の印象を大きく左右するもので、着色があると不潔な印象を持たれる可能性があります。

そのため、着色がつく原因となる歯石は、早めに除去した方が良いでしょう。

歯石を取るべき理由

歯石を取るべき理由は、以下の3つです。

  • 歯周病の進行
  • 虫歯のリスク
  • 口臭の原因

それぞれを説明します。

歯周病の進行

歯石によって歯垢(プラーク)が溜まりやすくなり細菌が繁殖すると、歯茎が炎症を起こし、歯を支える骨が溶け、やがて歯が抜けてしまいます。

気を付けなければならないのは、歯周病の影響はお口の中だけにとどまらないということです。

歯周病菌が全身にまわることで、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクが高まることがわかっています。

歯周病は全身にも影響を与えるため、原因となる歯石は早めに除去する必要があるでしょう。

虫歯のリスク

歯石によって歯垢(プラーク)が溜まりやすくなると、虫歯になるリスクが高まります。

進行すると強い痛みを引き起こしたり、歯を抜かなければならなかったりする可能性があるのです。

また、歯の本数が減ることで咀嚼機能が低下し、胃や腸などの消化器官に負担をかけてしまう場合もあるでしょう。

歯石が原因で虫歯になると、お口の中だけでなく全身に影響を与える可能性があるため、積極的に除去した方が良いといえます。

口臭の原因

歯石によって歯垢(プラーク)がつきやすくなり、口臭も強くなります。

なぜなら、歯垢(プラーク)の中には1㎎あたり数億の細菌が含まれており、その細菌が繁殖する際にガスを出すからです。

口臭は自分では気づきにくく、人からも指摘されにくいデリケートな問題です。

知らないうちに周囲の人を不快な気分にさせている可能性があるかもしれません。

そのため、口臭予防としても歯石の除去は非常に効果的といえるでしょう。

歯石除去の方法

歯石は歯ブラシでは落とすことができません。

そのため、歯科医院で専用の器具を使って除去する必要があります。

今回は、歯石を除去するときに使用する、超音波スケーラーとハンドスケーラーについて解説します。

超音波スケーラー

超音波スケーラーとは、超音波による微細振動によって歯石を取ることのできる器具です。

歯石が大量に付着しているときに効率よく除去でき、患者さんに対しても負担が少ないことが特徴です。

ただし、独特なキーンとした音や振動を不快に感じる方もいるかもしれません。

また、お水を出しながら操作するため、知覚過敏がある方はしみる場合もあります。

ハンドスケーラー

ハンドスケーラーとは、手動で操作して歯石を除去するための器具です。

超音波スケーラーでは届かない、歯周ポケットの深いところについた歯石を除去するのに適しています。

お水は使用しませんが、ガリガリとした音に不快感を感じる方もいるでしょう。

また、手動でおこなうため、歯石除去効率が悪く、治療に複数回かかる場合もあります。

歯石が歯周ポケットの奥まで溜まる前に、歯石除去をした方が患者さんの負担が少なく歯石を除去できる可能性が高いです。

まとめ

歯石は、虫歯や歯周病の直接的な原因にはなりません。

しかし、歯石の表面はザラザラしており、そこに歯垢(プラーク)が溜まることで虫歯や歯周病のリスクが高まります。

なぜなら、歯垢(プラーク)の中には、虫歯や歯周病の原因となる細菌が多く含まれているからです。

虫歯や歯周病は歯を失う大きな原因でもあるため、歯石は早めに除去しなければなりません。

歯石を除去するための超音波スケーラーやハンドスケーラーは、歯石のついている場所や量によって、歯科医師や歯科衛生士が使い分けます。

歯石がついていると自分では気づいていない場合もあるため、まずは歯科医院で検診を受けることをおすすめします。

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野澤修一

コラム監修者

はぴねす歯科・矯正歯科 石橋駅前クリニック 総院長 野澤 修一
福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」、2022年11月に「尼崎駅前クリニック(兵庫県尼崎市)」を開院。現在は医療法人はぴねすの理事長として4医院を運営。