ガミースマイルは、笑顔を浮かべた際に歯茎が通常よりも目立って露出してしまう状態を表す言葉です。一般的には、上顎の歯茎が3mm以上見えている場合にガミースマイルであると言われています。
多くの人は、「イー」と発音するように上下の歯を合わせた時、上唇によって上顎の歯茎はほとんど隠れているか、わずかに見える程度です。しかし、ガミースマイルの場合は、上唇が上がりすぎてしまい、歯茎が大きく露出してしまうのです。
歯の長さが短かったり、生えている位置が低かったりすると、上顎の歯茎が広く露出してしまい、ガミースマイルの原因となります。
特に、矮小歯(わいしょうし)と呼ばれる、通常よりも小さな歯が存在する場合、歯茎の見える範囲が大きくなりがちです。矮小歯の本数は人それぞれ異なり、1本だけの場合もあれば、全体的に小さな歯が並んでいるケースもあります。
矮小歯の発生には、遺伝的な要因やビタミンD不足などが関与していると考えられています。
上顎骨が前方に突出している場合、上唇では完全に覆いきれず、歯茎が口元から見えてしまうのです。
この状態は、上顎前突と呼ばれ、ガミースマイルに加えて出っ歯の状態でもあります。ガミースマイルと出っ歯が併発している場合、見た目へのコンプレックスがさらに強くなり、精神的な負担が大きくなります。
また、上顎骨の前方への突出は、口を閉じることを困難にすることがあります。口が開きがちになると、口内の乾燥が進みやすく、虫歯や歯周病、口臭などのリスクが高まります。
上顎骨の過剰な発達には、遺伝的な要因や、おしゃぶりの使用、舌癖などが関与していると考えられています。
通常よりも歯茎が大きく成長している場合、前歯を覆うように歯茎が存在するため、笑った際に見える歯茎の面積が広くなり、ガミースマイルの原因となります。
歯茎の過剰発達は、単独でガミースマイルを引き起こすこともありますが、多くの場合、他の要因と組み合わさって発生します。例えば、歯の大きさや歯並びの問題などと併発することで、より顕著なガミースマイルとなることがあります。
歯茎の過剰発達の原因は、遺伝的な要因や、ホルモンバランスの変化、特定の薬剤の使用などが関与していると考えられています。
上唇と鼻翼(びくう)を持ち上げる働きを持つ上唇挙筋(じょうしんきょきん)の力が強すぎる場合、上唇が必要以上に上方へ引き上げられてしまいます。その結果、口元から歯茎が大きく露出し、ガミースマイルの原因となるのです。
一方、上唇挙筋の力が通常の範囲内であっても、上唇の縦幅が十分でない場合、ガミースマイルが発生することがあります。上唇が薄いと、わずかに口を開けただけでも上唇が上がってしまい、歯茎が口元から見えてしまうのです。
上唇の筋肉の力や厚みは、主に遺伝的な要因によって決定されますが、加齢によって上唇が薄くなることもあります。
他の疾患と同様に、ガミースマイルも親や祖父母から受け継がれる可能性があるのです。
家族の中にガミースマイルの方がいる場合、お子様がガミースマイルになる可能性が高くなります。そのため、血縁者にガミースマイルの方がいる場合は、お子様の口元の成長を注意深く観察することが大切です。
ガミースマイルの治療は、顎の成長をコントロールできる年齢(6~12歳頃)から開始するのが理想的です。この時期に治療を始めることで、成人になってから矯正治療を始めるよりも、治療の負担を軽減できる可能性があります。
ご予約・ご相談はこちらから
072-762-4618平日21時まで診療 最終受付19:30 ※土日祝休診
メールでお問い合わせ →24時間受付中・お気軽にどうぞ
\ 初診受付はWebからも受け付けております /
オンライン初診受付\ 矯正の質問・ご相談は公式LINEから /
無料のLINE矯正相談はこちら →
ガミースマイルの最大の特徴は、口元から露出する歯茎の面積が通常よりも大きいことです。人の印象は口元で大きく左右されると言われており、ガミースマイルを抱える方の多くが、自分の笑顔に自信を持てず、コンプレックスを感じています。
ガミースマイルで悩む方は、主に若い世代に多く見られます。加齢とともにガミースマイルの発症率は減少していきますが、これには口元の筋肉の衰えが関係していると考えられています。年齢を重ねると、上下の口唇の位置が下がることで、相対的にガミースマイルの状態が改善されるのです。
また、ガミースマイルの発症率は、女性の方が男性よりも高い傾向にあります。女性の方が美容に対する意識が高く、コンプレックスを抱えやすいです。
ガミースマイルは、口を完全に閉じることが難しくなり、唾液による自浄作用が十分に機能しなくなります。
唾液は、口内を清潔に保ち、虫歯や歯周病の原因菌の増殖を抑える重要な役割を果たしています。しかし、ガミースマイルによって口が閉じにくくなると、唾液の分泌量が減少し、自浄作用が低下します。
その結果、口内の乾燥が進行し、虫歯や歯周病の原因菌が繁殖しやすい環境が作られてしまうのです。
ガミースマイルの状態では、口内の乾燥が進行しやすくなります。唾液の分泌量が減少することで、本来期待される唾液による自浄作用が十分に機能しなくなるのです。その結果、食べカスが口内に残りやすくなり、細菌の繁殖を促進することで、口臭の原因となります。
また、ガミースマイルは精神的なストレスを引き起こす可能性があります。自分の口元に自信が持てず、他人に見られたくないと感じることで、強いストレスを抱えてしまうのです。
ストレスは口臭を誘発する要因の一つであり、ガミースマイルによるストレスが口臭を引き起こす恐れがあります。
ガミースマイルの治療方法は、原因によって異なります。
それぞれ紹介します。
矯正治療では、歯の位置や噛み合わせを調整することで、笑った際に露出する歯茎の面積を減らすことを目指します。
矯正治療には、ブラケットとワイヤーを用いた方法と、透明なマウスピース型の矯正装置を使用するインビザラインなど、様々な選択肢があります。患者さんのライフスタイルや好みに合わせて、最適な矯正方法を選ぶことができます。
ブラケット矯正は、歯にブラケットを接着し、ワイヤーで連結して歯を動かす方法です。確実な矯正力が得られるため、複雑な症例にも対応できます。
一方、インビザラインは、透明なマウスピースを使用するため、目立ちにくく、取り外しも可能です。ただし、重度の不正咬合には適さない場合があります。
ガミースマイルの原因が骨格や歯並びにある場合、矯正治療だけでは十分な改善が得られないことがあります。そのような場合、外科手術と矯正治療を組み合わせた治療が選択されます。
外科手術では、ガミースマイルの原因に応じて、様々なアプローチが取られます。上唇を上げる筋肉の調整、過剰な歯肉の切除、上顎骨の位置調整などが行われることがあります。これらの手術は、笑った時に見える歯肉の量を減らし、口元の美しさを向上させることを目的としています。
外科手術と併用される矯正治療は、歯の位置や噛み合わせを最適化することで、治療効果を最大限に引き出すことができます。ブラケットとワイヤーを用いた従来の矯正装置や、目立たないマウスピース型の矯正装置などを使用し、歯を少しずつ動かしていきます。
ただし、外科手術を伴う治療は、矯正治療のみの場合と比べて、リスクが高く、回復期間も長くなる傾向があります。治療計画は、口腔外科医と矯正歯科医が連携して立案し、患者さんの状態や希望に合わせてカスタマイズされます。
ガミースマイルの原因が上唇の筋肉の過剰な発達にある場合、ボトックス注射が有効な治療方法の一つとなります。ボトックス注射は、上唇を持ち上げる筋肉にボツリヌストキシンを注入することで、筋肉の動きを一時的に抑制します。
ボツリヌストキシンは、ボツリヌス菌が産生する毒素から抽出された成分を用いて製造された薬剤です。この薬剤は、筋肉を制御する神経に取り込まれ、神経伝達を一時的にブロックすることで、筋肉の収縮を抑え、弛緩させる働きがあります。
ボトックス注射によって、笑った際に過度に露出していた歯茎が目立たなくなり、口元の見た目が改善されます。
治療のメリットとしては、ダウンタイムがほとんどなく、手軽で痛みが少ないことが挙げられます。手術を必要としないため、治療に対する心理的ハードルが低く、受けやすい選択肢となっています。
ガミースマイルの原因が上唇の過剰な収縮にある場合、上唇粘膜切除術が有効な治療方法となります。この手術は、特に上唇が高く上がりすぎてしまい、笑った際に歯茎が目立つガミースマイルに対して効果があります。
上唇粘膜切除術では、上唇の内側にある粘膜組織の一部を切除し、縫合することで、上唇の上がる範囲を調節します。粘膜を適切な量だけ取り除くことで、笑った時に上唇が過度に上がるのを抑え、歯茎の露出を最小限に抑えることができます。
この手術は、局所麻酔下で行われ、比較的短時間で終了します。手術の侵襲性は低く、術後の回復も早いのが特徴です。多くの場合、数日から1週間程度で日常生活に復帰することが可能です。
歯肉整形では、主にレーザーを用いて余剰な歯茎を切除し、歯茎のラインを整えることで、歯茎の露出を抑え、美しい口元を取り戻すことを目的としています。
歯肉整形では、まず局所麻酔を施した後、高精度のレーザー機器を使用して、過剰な歯茎を慎重に切除していきます。レーザーを使用することで、出血や腫れを最小限に抑えることができ、術後の不快感や痛みを軽減することが可能です。
また、歯肉整形は、多くの場合1回の治療で完了するため、患者さんの負担が少ないという利点もあります。手術時間も比較的短く、術後の回復も早いので、日常生活への復帰が容易です。
さらに、歯肉整形は他の治療方法と比べて費用が安価であることが多く、経済的な面でもメリットがあります。ただし、保険適用外の治療となるため、自費診療となることが一般的です。
歯冠長延長術は、単純な歯茎切除とは異なり、歯槽骨の形状も調整することで、より自然で調和のとれた歯茎のラインと歯の見え方を実現します。
歯茎だけでなく、歯槽骨を含めた構造的な問題に対処できるため、ガミースマイルの軽度から中等度の症例に適応することが多いです。
手術では、まず局所麻酔を施し、歯茎を切開して歯槽骨を露出させます。次に、歯槽骨の形状を整えるために、骨削除や骨整形を行います。その後、歯茎を適切な位置に再配置し、縫合します。手術後は、一時的に歯の感受性が高まることがありますが、数週間で徐々に回復していきます。
歯冠長延長術の大きな利点は、歯茎と歯槽骨の両方を調整することで、より持続的で安定した結果が得られることです。歯茎のラインが整えられ、歯冠の長さが延長されることで、ガミースマイルが改善され、美しい口元を取り戻すことができます。
ただし、歯冠長延長術は外科手術であるため、術後の腫れや不快感、感染のリスクがあります。また、手術の難易度が高く、治療期間も比較的長くなる傾向があります。手術の適応については、歯周病専門医や口腔外科医との綿密な相談が必要です。
ご予約・ご相談はこちらから
072-762-4618平日21時まで診療 最終受付19:30 ※土日祝休診
メールでお問い合わせ →24時間受付中・お気軽にどうぞ
\ 初診受付はWebからも受け付けております /
オンライン初診受付\ 矯正の質問・ご相談は公式LINEから /
無料のLINE矯正相談はこちら →ご予約・ご相談はこちらから
072-762-4618平日21時まで診療 最終受付19:30 ※土日祝休診
メールでお問い合わせ →24時間受付中・お気軽にどうぞ
\ 初診受付はWebからも受け付けております /
オンライン初診受付\ 矯正の質問・ご相談は公式LINEから /
無料のLINE矯正相談はこちら →※ 平日最終受付は、19:30迄
〒563-0032 大阪府池田市石橋1丁目2-17
グループ医院