審美歯科

審美歯科とは

審美歯科とは、歯を綺麗にするための治療のことを指します。
例えば、審美的材料を用いたセラミック治療、歯を白くするホワイトニング、歯並びを綺麗にする矯正治療などは審美歯科の領域です。
審美歯科の概念を理解する際に、治療という概念も理解するとわかりやすいのですが、通常歯の治療は何か病気の状態を治療するという「マイナス状態を0に戻す」という「治療」が一般的です。
日本における保険診療は、治療するかどうかということが適用されるか否かのポイントになります。
審美歯科は治療することを超えて、より歯を綺麗にするという考えなので、保険は適用されません。
また、審美歯科はWebサイトや言葉としては、セラミック治療という狭い意味合いで使われることも多く、本Webサイトでもセラミック治療について取り上げます。

どんな時に審美歯科を利用する？

銀歯を白くしたい

「銀歯を白くしたい」とおっしゃられる方は非常に多くいらっしゃいます。
銀歯で治療しているということは、ある程度大きく歯を削っている可能性があり、この場合は銀歯の代わりにセラミックを入れるという治療を実施します。
セラミックは、ご自身の歯の色に合わせた技工物を作成できるため、自然な仕上がりを期待できます。

また最近では、保険適用のCADCAMも出てきていますが、技工物の精度の問題から当院ではあまり推奨していません。精度が高くないということは、治療箇所と技工物の間に隙間ができ、その間で虫歯になってしまう可能性があるからです。
ちなみにCADCAMというのは、コンピューターによる設計機能とコンピューターによる技工物の作成機能を兼ね備えた詰め物作成の機器のことをいいます。
今後、保険でよりよいものが適用できるようになれば良いのですが、今はセラミックかゴールドで治療するとよいでしょう。

歯茎の黒ずみを治したい

歯茎の黒ずみというのは、歯に利用されている金属の土台から漏れる金属イオンによる変色(メタルタトゥー)や、歯の技工物に使われているメタルフレームが見えてしまっていること(メタルマージン)が原因です。
メタルタトゥーを治療するには、金属の土台を除去し金属を使わない土台に変更した上で歯肉のターンオーバー機能で変色を直していきます。
メタルマージンの治療では、歯の技工物を金属を利用していないものに変更することで治療可能です。

`虫歯を綺麗に治したい`

虫歯になって歯を削った際に、金属の詰め物を選択せず、セラミックの詰め物を選択するということも多くあると思います。
セラミックには様々な素材があり、前歯に使うもの、奥歯に使うもの、頑丈さが売りのもの、見た目がとにかく美しいものなどそれぞれ特徴を持ちます。
歯の状態に合わせて、最適な詰め物・被せ物をご提案させていただきます。

セラミック治療のメリット・デメリット

セラミック治療のメリット

セラミック治療のメリットについてご説明します。

天然歯に近く色合いが再現でき、審美性が高い

セラミックには、様々な色調がありご自身の歯の色に合わせたり、理想の白さの技工物を選択することができます。
腕の良い歯科医師が型をとり、また腕の良い歯科技工士が作成する歯科技工物(詰め物・被せ物)は、本物の歯と見間違えるほどの仕上がりとなります。
治療するなら美しくしたいなら、セラミック治療が向いていると考えられます。

二次カリエス(治療後のむし歯の再発)のリスクを減らせる

虫歯治療の際に、削った箇所と詰め物の間に隙間ができ、その中で虫歯が再発することがありこれを二次カリエスといいます。
二次カリエスになった場合、さらに歯を削る必要があり歯はさらに削られることになる上、目視ではなかなか発見することができません。
セラミックは、技工物が劣化しづらいという特徴があります。プラスチックや銀歯は、経年劣化し二次カリエスのリスクを上げてしまう場合があります。
また腕の良い歯科医師と技工士がセラミックの詰め物を作成することで、さらに二次カリエスのリスクを減らすことが可能です。

プラーク(歯垢)がつきづらい

セラミックは、そのツルツルとした材質からプラーク(歯垢)がつきづらいことも特徴です。セラミック(陶器)でできたお皿を洗うと、ツルツルとほとんどの汚れが目立たずとれる経験はみなさんも日頃からされていると思います。
プラークというのは細菌の温床で歯周病や口臭の原因となります。セラミックは歯垢がつきづらいというのも、大きなメリットです。

劣化しづらく白さが長持ちする

セラミックという素材は、劣化しづらく着色しづらい特徴を持ちます。
プラスチックの食器と陶器(セラミック)の食器を使い続ければその違いは一目瞭然だと思いますが、傷がつきづらく着色しづらいセラミックは、食事をしたり水分にまみれたりブラシでこすられたりする、口腔内でも安定して歯を守り続けてくれます。
非常に口腔内に相性のよい素材と言えるでしょう。

治療によっては金属アレルギーのリスクがない

セラミックは、その素材だけで強度を保つことができる種類のものもあります。
中には、金属のフレームで支えるタイプの技工物(メタルボンド)もありますが、患者様がメタルフリー(金属を使わない)で治療したいということであれば、大抵の希望をかなえることができます。

歯茎の黒ずみのリスクがない

こちらも金属を利用しないセラミックの場合は、という話ですが、歯茎が黒ずんでしまうリスクはありません。
黒くなる原因の金属を利用しないことで、歯茎の黒ずみというリスクを無くすことができるようになります。
見た目を悪くしたくない、という方はメタルフリーのセラミック治療が適していると言えるでしょう。

セラミック治療のデメリット

セラミック治療のデメリットをご紹介します。

割れる、とれる場合がある

機能性が高いセラミック治療でも、取れてしまったり、割れてしまうリスクがあります。
例えば、患部の治療が完璧であったとしても対面の噛み合わせる歯が、悪さをしてしまう可能性もあります。取れたりしてしまった場合は、その原因をしっかり探り、改善点を見つけて再度治療する形になります。

はぴねす歯科・矯正歯科では全てのセラミック治療で3年保証を設けておりますので、何かあった際にはご来院ください。
その際には、必ずとれてしまった技工物を持ってくるようお願いいたします。

自費診療のため費用が高い

セラミック治療は、保険適用されないため自費での治療となります。
保険診療は、1割から3割が患者さまの自己負担で、残りは健康保険から支払われる(自己負担ではない)ため、支出を抑えられるメリットがあります。
自費診療の場合、全額が患者様の自己負担となるため費用が高くなります。
はぴねす歯科・矯正歯科では、本来外注する歯科技工物の作成を、当院所属の歯科技工士に作成してもらっているため、中間マージンを発生させず費用を抑え、比較的安価にセラミック治療をご提供しています。
また治療費が高額になった場合、医療費控除という国の制度もあるため、ぜひご利用ください。

はぴねす歯科・矯正歯科の審美歯科の特徴

歯科技工所所有だから、低価格で患者様のご希望を叶える

歯科技工物は、通常であれば契約している技工所に発注して作成を依頼してもらう形式です。しかし、はぴねす歯科・矯正歯科では法人が歯科技工所を保有することで、技工物を内製化しています。そのおかげで、中間マージンを排除し安価に技工物を提供できることは、もちろん、技工士もはぴねす歯科・矯正歯科の一員としてチームで技工物の作成に臨むことができます。結果として、質の良い技工物を安価に提供できる体制を整えました。

当院の審美歯科は3年保証つき

セラミック治療では、非常に少ない確率ではありますが、取れてしまったり割れてしまうリスクがあります。
そのためはぴねす歯科・矯正歯科では、より患者様に安心できる環境を整えたいという思いで、全てのセミラック治療で3年保証をつけています。

長持ちするセラミック治療

せっかく治療をしても、精度が悪い技工物をつけても意味がありません。CADCAMでの治療はデジタルで治療できる反面、まだ精度については改良の余地があると考えています。
しっかり歯型をとり、腕の良い技工士が技工物をつくるという基本を大切にして、より長持ちするセラミック治療を提供できるよう日々研鑽しています。

噛み合わせを考慮したセラミック治療

治療した患部のみに焦点を当てるのではなく、歯全体のバランスを考えた治療を提供します。例えば、治療箇所の反対側の噛み合わせる歯の影響で、患部が傷ついている可能性もあります。
しっかりと噛み合わせのバランスも考え、治療することでより長持ちするセラミック治療を提供しています。

詰め物、かぶせ物とは

よくセラミック治療で登場する詰め物と被せ物の意味についてご紹介します。

詰め物(インレー、アンレー)とは

詰め物は、小さめから中程度の虫歯に対して歯を削って、その空いた箇所にプラスチックや金属、セラミックを詰める治療のことや、その詰めるもの自体を指して使う言葉です。

通常、虫歯治療で歯を削らなければならない場合、その削った箇所に人工の素材を詰めていき治療を完了します。
小さめのものであれば、保険適用のプラスチック(コンポジットレジン)を詰めていく場合が多いのですが、プラスチックでは対応できないほど大きく歯を削った場合は、別の治療を選択する必要があります。

それは、セラミックや銀や金を用いたインレーの作成です。
歯型をとって、技工士が技工物を作成し、歯の中にセットするという一連の流れが必要です。プラスチックの詰め物の場合は、削ったその日にプラスチックの詰め物をしますが、インレーの場合は数日間の時間を要します。
なぜプラスチックで対応しないかといえば、詰め物の大きさがある一定よりも大きく
なった場合、プラスチックの強度の問題、劣化の問題を考えてインレーの方が治療後の経過がよいためです。

かぶせ物(クラウン、差し歯)とは

かぶせ物と、クラウンと差し歯は同じ意味で使われます。
インレーによる治療よりも、もっと大きく歯を削った場合は、歯の根本から土台となる部分を作り、その土台に人工の歯を被せる治療を実施します。
その人工の歯の部分のこと、またその被せる治療のことを指してかぶせ物を呼びます。
差し歯というのは、やや昔の言葉なのですが、昔は人工の歯の側に歯の根元側に向かって刺す金属の棒がついており、根元側に差し込む形で連結していたので差し歯という表現を使っていました。
現在は、土台を作って被せるという手法が主流です。

はぴねす歯科・矯正歯科で扱っている歯科技工物の紹介

e.max(イーマックス)

e.maxは、イーマックスと読みます。
「二ケイ酸リチウムガラス」という素材でできており、現在多くの治療現場で用いられている人気の素材です。
歯の硬さに近い上に、透明度が高く審美性も兼ね備えていることが特徴です。
前歯などによく利用される素材です。

硬さ	400MPa。天然歯の硬さ(350Mpa)に近く、通常のオールセラミックよりも割れにくい特徴を持つ。
見た目	透明度が高く、前歯に使用しても審美性が高い。
適応できる箇所	前歯など
使用方法	詰め物、かぶせ物、ブリッジ

ジルコニア

ジルコニアは、二酸化ジルコニウムとも呼ばれています。
また「人工ダイヤモンド」という呼称もあり、実は装飾品にも使われる素材です。
非常に硬く丈夫であることが特徴で、強度を必要とする奥歯などに利用されます。
最近は、透明度もあがったジルコニアも登場し審美性がより高まってきています。

硬さ	使用するジルコニアによるが、基本的に非常に固い、セラミックの中では随一の頑丈さを持つ。
見た目	透明度はないが、白い。近年、透明度が増したジルコニアも登場してきている。
適応できる箇所	奥歯が多い
使用方法	詰め物、かぶせ物、ブリッジ

ジルコニアレイヤリング

頑丈なジルコニアの土台に、ポーセレンという透明度が高く美しいセラミックを手作業で盛り付け作成します。
ジルコニアの強度と、ポーセレンの美しさを兼ね備えたセラミックです。
規格品ではなく、患者様のために歯科技工士が1つ1つ手作業で色調を再現します。
オーダーメイドで作成する分、金額はかかりますが、非常に人気の素材です。

硬さ	ジルコニアが土台のため、強度は申し分ない
見た目	白い土台のジルコニアに透明度の高いポーセレンが表面を覆っているため、非常に綺麗な仕上がりになる
適応できる箇所	前歯、奥歯
使用方法	かぶせ物、ブリッジ

ゴールド

いわゆる金歯です。
金は、金属の中でも非常に安定して劣化しづらい素材であること、また金属特有の柔らかさによって噛み合わせつ歯を傷つけにくいという特徴を持ちます。
審美性の好みはわかれるところですが、歯の健康を守る素材としては一級品です。

硬さ	400MPaで天然の歯の硬さに近い。また柔らかい素材で噛み合わせの歯を傷つけない上、非常に割れにくい。
見た目	金色のため非常に目立つ。あえて金歯を選択される方もいるため、価値観による。
適応できる箇所	奥歯が主流。前歯も可能であるが目立つことに留意が必要。
使用方法	詰め物、かぶせ物、ブリッジ

銀歯

保険治療で使われるものが銀歯です。
金よりも安定性は低く金属アレルギーになる可能性があります。
また使い続けることで、素材自体が変形するなど劣化するリスクがあります。

硬さ	1200MPaで丈夫さは充分。
見た目	銀の金属のため目立つ。
適応できる箇所	奥歯。前歯の場合、保険適用の治療は硬質レジン前装冠というものを利用する。
使用方法	詰め物、かぶせ物、ブリッジ

硬質レジン前装冠は、金属の土台にプラスチックを貼り付けて作られるもの。メタルタトゥーなどの原因になる場合もあります。