セラミックの歯は何年もつ？寿命の目安と長持ちさせるコツを歯科医が解説

 

「セラミックの歯は何年持つのか？」と気になっていませんか？

セラミックの歯を入れたことがあるけれど、「欠けや変色の症状が出てきて心配」「再治療のタイミングが分からない」と、耐久性への不安がある方も多いのではないでしょうか？

セラミックの歯は一生使用できるわけではなく、年々劣化していきます。

しかし、素材やメンテナンスの仕方によってその寿命は変わります。

そこで、今回は以下の内容について解説します。

• セラミックの歯はどれくらい持つ？平均寿命の目安
• 素材別にみるセラミック歯の寿命比較
• セラミックの歯の寿命が短くなる原因
• セラミックの歯の交換が必要になるサイン
• セラミック歯を長持ちさせるためのポイント

この記事を読むことで、セラミックの歯についての正しい知識を理解し、適切な対処や判断を実践できるようになります。

セラミックの寿命や治療法に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

セラミックの歯はどのくらいもつ？平均寿命の目安

セラミックの歯の一般的な寿命は、平均的に10年〜15年と言われています。

しかし、メンテナンスをしっかり行えば、20年以上長持ちさせられるケースもあり、その寿命は素材や治療法によって異なります。

再治療コストを抑えるためにも、寿命や劣化サインを理解し、定期的なメンテナンスや治療法については医師に相談するようにしましょう。

素材別にみるセラミック歯の寿命比較

セラミック治療で使用される素材は主に以下の4つです。

• オールセラミック(約10〜15年)
• ジルコニア(約15〜20年)
• メタルボンド(約8〜10年)
• ハイブリッドセラミック(約7〜8年)
• 銀歯・レジンとの寿命

それぞれ詳しく解説していきます。

オールセラミック(約10〜15年)

オールセラミックは、その名前のとおり100%セラミック素材だけで作られた素材です。

天然の歯に近い透明感や白さが特徴で、審美性を保つことができ、前歯などの口を開けたときに見えやすい歯によく使用されます。

詰め物や、被せ物にも使用される素材で、平均寿命は10〜15年程度です。

ジルコニア(約15〜20年)

ジルコニアは、その強度の高さから人工ダイヤモンドとも呼ばれている素材です。

噛み合わせのための強度が求められる奥歯によく使用されますが、天然の歯よりも硬い素材のため、他の歯を傷つけないように注意する必要があります。

外側はセラミックで覆われているため審美性も高く、平均寿命は10年〜15年程度です。

メタルボンド(約8〜10年)

メタルボンドは、金属の外側にセラミックを焼き付けた被せ物です。

金属の強度とセラミックの美しさを兼ね備えた素材で、価格も比較的安価という特徴があります。

しかし、角度によって金属がみえる、金属イオンが溶け出し歯茎が黒ずむ可能性もあります。

被せ物のみで使用される素材で、平均寿命は8〜10年程度です。

ハイブリッドセラミック(約7〜8年)

ハイブリッドセラミックは、レジン(プラスチック)とセラミックを混ぜ合わせた素材です。

見た目や強度は他の素材より劣りますが、その分費用が安価で保険が適用されます。

しかし、適用できる歯の範囲は限られており、レジンを含むため変色の可能性もあります。

平均寿命は7〜8年程度です。

銀歯・レジンとの寿命

銀歯の寿命は一般的に5〜7年程度、レジンは2〜3年程度と言われています。

長く使用すると、銀歯は金属イオンが口の中で溶け出し、周囲の歯や歯茎を黒く変色させる可能性があります。

レジンも治療から2〜3年経過すると、変色や劣化が起こり始めることが多いです。

銀歯やレジンは安価ではありますが、セラミックよりも寿命が短く、その分、将来的な治療の頻度が上がることになります。

セラミックの歯の寿命が短くなる原因

セラミックの歯の寿命が短くなる原因は、以下の5つです。

• 歯ぎしり・食いしばりなどの力の負担
• 噛み合わせの不良
• セルフケア不足による虫歯・歯周病の再発
• 強い衝撃や硬いものを噛む習慣
• 歯科医師の技術・適合精度の問題

それぞれ詳しく解説していきます。

歯ぎしり・食いしばりなどの力の負担

耐久性のあるセラミックの歯ですが、歯ぎしりや食いしばりの習慣がある人は注意が必要です。

歯ぎしりや食いしばりは歯に強い力をかけ、大きな負担となります。

実際にセラミックが欠ける事例も多く、寿命を縮める危険性があります。

噛み合わせの不良

噛み合わせの不良もセラミックの歯の寿命に影響を与えます。

歯の状態や噛み合わせは、年齢とともに変化していきます。

噛み合わせのズレによって負荷が集中すると、セラミックが欠けたり、割れたりする原因になるため注意が必要です。

加齢だけでなく、歯並びの悪さや虫歯、歯周病なども、噛み合わせを悪くする原因です。

セルフケア不足による虫歯・歯周病の再発

日々のセルフケアを怠り、虫歯や歯周病などの症状が起こると、セラミックの歯は交換が必要になります。

セラミックの歯は虫歯になりませんが、装着している歯や内部は虫歯になる可能性があり、その時点でセラミックの歯は寿命を迎えることになります。

強い衝撃や硬いものを噛む習慣

セラミックの歯は転倒や事故などの強い衝撃により、欠けたり割れたりする危険性があります。

そのため、球技や格闘技などのスポーツを行う際も注意が必要です。

外傷的なことだけでなく、過度な負担を連続して与えられることに弱く、硬いものを噛む習慣があると欠けることがあります。

歯科医師の技術・適合精度の問題

セラミックの適合性は、型取りや接着を行う医師、セラミックの歯を作る技工士の技術に左右されます。

型の取り方や、装着の手順で医師の技術不足があった場合、セラミックと歯の間に隙間ができた状態になってしまうかもしれません。

隙間ができてしまうと、そこから汚れが入り込んで虫歯になる危険性があり、セラミックの歯を交換することになってしまいます。

関連記事：セラミック矯正は危険？理由とリスクの回避方法を紹介

 

セラミックの歯の交換が必要になるサイン

セラミックの歯の交換が必要になるサインは、以下の4つです。

• セラミックが欠けた・割れた
• 歯との境目に黒ずみ・虫歯が見える
• 噛み合わせが変わった・違和感がある
• 治療から10年以上経過している

それぞれ詳しく解説していきます。

セラミックが欠けた・割れた

セラミックの歯が欠けたり割れたりした場合は、すぐに歯科医院を受診しましょう。

放置すると口腔内を傷つけて怪我をしたり、他の歯に影響を与えたりする危険性があります。

歯との境目に黒ずみ・虫歯が見える

セラミックの歯に虫歯が発生した場合、交換が必要です。

セルフケアや検診を怠ると、セラミックの歯でも内部や装着している歯が虫歯になります。

歯との境目に黒ずみや虫歯がみえた場合は、歯科医院で治療の判断をしてもらいましょう。

噛み合わせが変わった・違和感がある

歯茎が下がったり痩せたりすると、歯の噛み合わせも悪くなります。

歯茎や歯の状態は変化していくものなので、噛み合わせに違和感を感じたら、すぐに検診を受けましょう。

治療から10年以上経過している

素材によって異なりますが、セラミックの歯の寿命は平均的に10〜15年と言われています。

10年以上経過している場合は、今の状態や交換の時期について医師と相談することが大切です。

セラミック歯を長持ちさせるためのポイント

セラミックの歯を長持ちさせるためのポイントは、以下の5つです。

• 毎日の丁寧なセルフケア(歯磨き・フロス)
• 歯ぎしり・食いしばり対策(ナイトガード)
• 定期的な歯科検診・メンテナンス
• 硬い食べ物を避ける・咀嚼バランスを意識する
• 信頼できる歯科医院での精密治療を受ける

それぞれ詳しく解説していきます。

毎日の丁寧なセルフケア(歯磨き・フロス)

口腔内に汚れが溜まると、セラミックと装着している歯の隙間にも入り込み虫歯になる危険性があります。

虫歯になるとその時点でセラミックの歯は交換が必要になるため、日々の丁寧なセルフケアが重要です。

歯の汚れは歯ブラシだけでは完全に取り除くことができないため、歯間ブラシやデンタルフロスの併用が大切です。

過度な力をかけての歯磨きなど、間違った方法のセルフケアも危険なので、医院でアドバイスをもらいながら行いましょう。

歯ぎしり・食いしばり対策(ナイトガード)

セラミックの歯は強度がありますが、強い衝撃は劣化につながる危険があります。

歯ぎしりや食いしばりは歯に大きな負担をかけ、セラミックの歯が欠けたり割れたりする原因になります。

就寝時に歯ぎしりや食いしばりをする癖がある場合は、歯科医院でナイトガードを作製してもらい、装着するようにしましょう。

定期的な歯科検診・メンテナンス

3〜6か月に1回は、歯科医院で検診とクリーニングを受けましょう。

定期的に検診やメンテナンスを受け、セラミックの状態や噛み合わせを確認してもらうことが大切です。

虫歯や歯周病の予防にもなり、セルフケアでは行き届かない歯石や汚れを除去してもらうことができます。

状態をこまめに確認し問題を早期発見することは、セラミックの寿命を伸ばすことにつながります。

硬い食べ物を避ける・咀嚼バランスを意識する

強い衝撃や、過度な負担の連続はセラミックの歯が欠けたり割れたりする原因になります。

硬い食べ物はなるべく避け、普段の食事でもセラミックの歯への負担がかかりすぎないよう咀嚼バランスを意識しましょう。

信頼できる歯科医院での精密治療を受ける

セラミックの治療は医師の技術によって仕上がりが左右されます。

セラミックに治療を入れているなど、実績や経験も考慮して自分が信頼できる医院や医師を探すことも大切です。

定期的な検診のためにも、安心して治療を受けることのできる医院を選んで、不安や問題をすぐに相談できるようにしましょう。

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まとめ｜正しいケアと定期検診でセラミック歯は長持ちする

セラミックの歯の一般的な寿命は10年〜15年程ですが、素材や日々のメンテナンスによって異なります。

少しでも長持ちさせるためには、歯への衝撃を避けることと、日々の丁寧なセルフケアが重要です。

10年以上経過している、欠けてしまった、虫歯や噛み合わせの心配があるという場合は、医師に診てもらい再治療の相談をしましょう。

また、セラミック治療を行う場合も、医師と相談しながら自分の希望に沿った素材を選ぶことが大切です。

将来的なコストを抑えるためにも、素材やメンテナンス法について正しい知識を理解し、後悔のない判断と選択をできるようになってください。

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