セラミック矯正で出っ歯は治らない?費用や治療期間を紹介
「セラミック矯正で出っ歯を治せるのか」について、気になっていませんか?
セラミック矯正で出っ歯を治したいけど「治療中のデメリットはないか」
「費用や治療期間など、どのように治療を進めていくのかわからない」といった疑問を持つ方もいると思います。
出っ歯は、セラミック矯正治療が可能ですが、治療のメリットに加え、デメリットもいくつかあります。
そこで今回は、以下の内容について解説します。
|
この記事を読むことで、出っ歯の改善がセラミック矯正に適しているか理解でき、治療を検討できるでしょう。
「出っ歯をセラミック矯正で治したい」と考えている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
セラミック矯正とは
セラミック矯正とは、改善したい歯の一層を削り、セラミック素材で作製された歯を被せて歯並びを整える方法です。
作製されるセラミックの歯は、大きさや色など自由に選択できます。
一方、ワイヤー矯正やマウスピース矯正のように歯を動かしません。
そして、セラミック矯正にはおもに以下の種類から選べます。
- オールセラミック
- ジルコニアセラミック
- メタルボンド
セラミックは、金属を含まれていない素材ですが「メタルボンド」は、金属を使用している補綴物であるため、アレルギーがある人は注意をしましょう。
出っ歯はセラミック矯正で治療はできる?
出っ歯は、セラミック矯正での治療が可能です。
前歯が軽く前方に出ている症例や、歯のサイズが少し大きい症例などに対応できます。
しかし、出っ歯の人全員が、セラミック矯正治療ができるとは限りません。
そこで、セラミック矯正で出っ歯が治らないケースについて詳しく解説します。
セラミック矯正で出っ歯が治らないケース
セラミック矯正で出っ歯が治らないケースは「顎骨に問題がある」場合です。
セラミック矯正は、歯のみを整える場合に使用されるため、顎骨を治せません。
「顎骨に問題がある」とは、上の顎が長かったり、大きかったりすることです。
そのため、顎骨に異常がある場合は、歯列矯正や外科矯正が必要になるでしょう。
また、歯の傾きが非常に大きい出っ歯の場合も同様、セラミック矯正で治らない可能性が高いです。
出っ歯をセラミック矯正で治療するメリット
出っ歯をセラミック矯正治療するメリットは、以下の5つあります。
- 治療期間が短い
- 矯正装置が不要
- 治療中の痛みが少ない
- 後戻りが起こらない
- セラミックの色や形態を選択できる
それぞれ詳しく解説していきます。
治療期間が短い
セラミック矯正は一般的に約1〜3ヶ月、短い期間で約2週間で治療が完了します。
一方、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの歯列矯正は、一般的に数ヶ月~数年かかってしまいます。
したがって、セラミック矯正は他の歯列矯正と比べて治療期間が短いです。
また、治療中は天然歯に似た仮歯を装着して過ごすため、周囲の人にもバレにくいです。
矯正装置が不要
セラミック矯正は、歯を動かす必要が無いため、矯正装置を装着しません。
一方、歯列矯正を選択した場合は、医師が納得いく歯並びになるまで矯正装置を装着し続ける必要があります。
セラミック矯正は、矯正装置がいらないため、私生活や食事中のストレスなどを感じなくて済むでしょう。
治療中の痛みが少ない
セラミック矯正は、歯を削る際に麻酔を使用するため少し痛みを感じます。
しかし、歯列矯正のように歯が移動する継続的な痛みや、違和感などの痛みを感じません。
また、ワイヤー矯正のように矯正装置で歯や口腔内を傷つけることもないです。
そのため、歯列矯正と比べると治療中の痛みは少ないと言えます。
後戻りが起こらない
「後戻り」とは、矯正治療で歯並びを整えた後、少しずつ歯が元の位置に戻ってしまう現象を言います。
そのため、歯列矯正では後戻りを防止するために保定装置を装着する必要があります。
しかし、セラミック矯正は、歯を動かす必要が無いため「後戻り」の心配がありません。
そして保定装置を装着しなくていいため、全体的な治療期間が早く完了します。
セラミックの色や形態を選択できる
患者の要望や隣接している歯のバランスを考慮して、歯科技工士が作製してくれるため、きれいな歯並びを再現してくれます。
しかし、極端に他の歯の色と差が出てしまうと、違和感が出てしまうため、医師と相談して決めましょう。
出っ歯をセラミック矯正で治療するデメリット
出っ歯をセラミック矯正で治療するデメリットは、以下の5つです。
- 歯を削る必要がある
- 神経を取る可能性がある
- 噛み合わせの改善ができない
- 将来的に破損する可能性がある
- 虫歯や歯周病になる可能性が高くなる
それぞれ詳しく解説していきます。
歯を削る必要がある
作製したセラミックの歯を被せるためには、自分の歯を土台にしなければいけません。
歯を削ってしまうと、一生元に戻らないため失敗できません。
また、歯を削る量が大きいほど、歯の寿命がどんどん短くなっていく恐れがあります。
神経を取る可能性がある
セラミック矯正は、神経を取る可能性があります。
歯の傾きが大きい人ほど、歯を多く削る必要があるため、神経が露出してしまいます。
神経が露出してしまうと、歯の神経を取り除かなければいけません。
しかし、神経を取り除くとセラミック矯正の治療期間が長くなり、歯の寿命が短くなる恐れがあるでしょう。
噛み合わせの改善はできない
セラミック矯正は、歯並びや見た目を改善する治療方法ですが、噛み合わせの治療効果はありません。
噛み合わせが原因の出っ歯の場合は、歯列矯正を検討するといいでしょう。
本当にセラミック矯正で治療を進めていくのか、将来噛み合わせの改善が必要がないのかを医師と相談して決めるのが重要です。
将来的に破損する可能性がある
セラミックは、強い力が加わったり、外的な衝撃があったりすると破損する恐れがあります。
たとえば、次のような事例が考えられます。
- 食いしばりや歯ぎしり
- 転倒
- スポーツや事故などで起こる強い衝撃
- 硬い食べ物を食べた時
破損した場合は、歯型を取り直して作製するため、追加の治療費がかかってしまうでしょう。
虫歯や歯周病になる可能性が高くなる
セラミックを被せたばかりは問題ないですが、補綴物と歯肉の間に食べ物のカスや歯垢などの汚れが蓄積してしまうのが原因です。
また、月日が経つと歯肉が少しずつ下がってくるため、補綴物と歯肉に隙間が生じます。
食べ物のカスや歯垢をそのままにしておくと、虫歯や歯周病のリスクがより高まるでしょう。
そのため、毎日のケアと定期的に歯科医院でのクリーニングを行うことが大切です。
セラミック矯正の費用、治療期間、治療の流れ
セラミック矯正の治療について、3つ説明します。
- 費用
- 治療期間
- 治療の流れ
さっそく見ていきましょう。
費用
セラミック矯正にかかる費用は、1歯に対して約11万〜17万円です。
1歯に対してかかる費用の内訳は、以下のとおりです。
セラミック矯正時にかかる作業 | 費用 |
歯の形成 | 約10,000~約15,000円 |
仮歯 | 約1,000~約5,000円 |
セラミックで作成された歯 | 約100,000~約150,000円 |
セラミック矯正は、保険治療でなく、自由診療になるため自己負担です。
そして、歯科医院によって費用は異なります。
作り直す場合は、追加で費用を支払う場合もあるでしょう。
治療期間
セラミック矯正にかかる治療期間は、約1〜3ヶ月です。
歯を移動させる期間がないため、短期間で治療が完了します。
歯列矯正になると、治療期間は数ヶ月~数年かかると言われています。
セラミック矯正は、結婚式や面接など、大事な行事が直近である場合におすすめです。
治療の流れ
セラミック矯正は、次のような流れで治療を行います。
- 医師とのカウンセリング
- 精密検査・診断
- 歯の形成
- 仮歯の製作・装着
- セラミックの歯を製作・装着
装着したセラミックの歯の色や形、全体的なバランスを確認して、問題がなければ治療完了です。
まとめ
今回は、出っ歯をセラミック矯正で治療できるかについて解説してきました。
出っ歯は、セラミック矯正が可能です。
しかし、顎骨に問題がある場合や、歯の傾きが非常に大きい場合は治療ができません。
セラミック矯正は、歯を削って作製した歯を被せる治療であるため、顎骨の治療は行っていません。
本記事を読んで、セラミック矯正が出っ歯の改善に適しているか理解できます。
治療を検討している場合は、まず歯科医院の「無料相談」を利用し、受診してください。
コラム監修者
- はぴねす歯科・矯正歯科 石橋駅前クリニック 総院長 野澤 修一
- 福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」、2022年11月に「尼崎駅前クリニック(兵庫県尼崎市)」を開院。現在は医療法人はぴねすの理事長として4医院を運営。