公開日:2020年12月23日
「セラミックの歯のメリットとデメリットを知りたい」
「セラミックの歯にして後悔したくない」
審美性が高いことからセラミックを選ぶ人が増えてきましたが、デメリットをご存知でしょうか?
セラミックのメリットとデメリットの両方を知っておくことで、歯科治療の素材選びに役立ちます。
歯の素材としてセラミックに興味を持っている方は、ぜひ参考にしてください。
セラミックの歯には以下のデメリットがあります。
1つずつ解説していきます。
詰め物や被せ物にセラミックを使用する場合、自分の歯を削る量が増えてしまいます。
詰め物や被せ物の強度を上げるためにセラミックに厚みを持たせる必要があるためです。
金属は素材そのものの強度が強く、薄くても強度に心配がありません。
ですが、セラミックは強い衝撃に弱いため、歯と歯の間にある程度の空間を作り、厚みを持たせる必要があります。
セラミック治療をするうえで、歯を削ることは避けられないうえに、一度削った歯は元に戻りません。
歯を削ることに抵抗がある方は、削らない治療を選ぶことも選択肢の一つです。
今の保険制度では、セラミック治療は保険が適用されません。
治療費が高額なうえ、自費診療になるため、セラミッククラウンで10万円前後、セラミックイントレーで5万円前後の金額になります。
金属やレジンであれば保険が適用されるため、セラミックよりも安価で治療ができます。
金額面で見るとセラミック治療は高額です。
しかし、長期的に見たときに、セラミックは寿命が長いため、治療回数が少なくて済みます。
素材が寿命を迎えるとともに、詰め物や被せ物の詰め替えや取り替えをする必要があり、場合によっては歯を削らなければいけません。
一時的に支払う治療費だけで素材を選ばずに、将来的に自分の歯をどのくらい残したいかも考えて、素材を選ぶ必要があります。
セラミックは強い衝撃に弱いです。
お茶碗や湯飲みにも使われる素材と同じで強度は強いですが、強い力で叩いたり落としたりすると割れます。
そのため、外的要因(口周りに物がぶつかる、打撃を受けるなど)により、歯に強い衝撃がかかると割れてしまう恐れがあります。
また歯ぎしりや噛み締めの癖があると、セラミック部分に負担がかかり割れやすいです。
割れにくくするためにはセラミックに厚みを持たせる必要がありますが、その分、自分の歯を削らなければいけません。
一度割れてしまうと再治療が必要となり、治療のたびに費用がかさみます。
セラミックは耐久性があり、一生ものだと考えている患者様がいますが、セラミックも人工物である以上いつかは再治療が必要となります。
セラミックの寿命は素材によって異なりますが、平均的な寿命は10年前後となっているため、10〜20年経つごとに再治療が必要となるでしょう。
また、口腔内の状態や日常のケアの仕方によっても変わってくるため、人によって再治療の時期は異なってきます。
関連記事:セラミックの歯の寿命は何年?長持ちさせる秘訣を紹介
セラミック治療にあたり、自然歯を削る必要があります。
セラミック歯は、強度を保つために厚みを確保しなければいけないためです。
歯を削ったときに、歯髄(歯の神経)の位置によっては、しみたり痛みを感じたりすることもあります。
その場合は、神経を抜く治療の検討が必要です。
また、虫歯が歯髄まで到達している場合は、神経治療が必要となる可能性があります。
マイクロスコープを完備しており、精密な虫歯治療ができのであれば、神経を残せる可能性はあります。
セラミックは審美性に優れていますが、自然歯とまったく同じ色を再現できないケースもあります。
セラミックは、様々な色調を再現できる優れた歯の素材です。
しかし、加工する日の湿度や温度、天候により仕上がりが変化してきます。
そのため、部分的にセラミック治療をおこなう場合に、隣接する歯と同じ色を再現できないこともあります。
また、セラミック治療をした歯の隣に、再度セラミック治療をすると、セラミック同士の色が合わない現象が起きる場合もあります。
歯の色は個人によって差があるため、セラミック治療をしたとしても、理想の色に仕上がらないこともあるでしょう。
セラミックの歯に合わせて、自然歯をホワイトニングすると、色調にギャップが生じることがあります。
特に前歯は目立ちやすいため、違和感が生じやすいです。
また、ホワイトニングした歯は後戻りが起きやすいため、徐々に色合いが合わなくなってくるケースもあります。
セラミックにはコンポジットレジンや金属にはないメリットもあります。
1つずつ紹介していきます。
セラミックには、自然な歯に近い白さとツヤがあり、見た目が美しいです。
色の選択肢も豊富にあるため、個人個人の歯の色に合わせられます。
自分の歯の色が汚れていたり、金歯や銀歯など目立つ歯があったり、口元にコンプレックスがある人は、セラミックを取り入れることで自分の歯に自信を持てます。
セラミックは、二次カリエスになりにくいです。
二次カリエスとは、虫歯治療をおこない完治した歯が再び虫歯になることです。
保険が適用され安価で治療可能な素材(金属やプラスチック)を使った詰め物や被せ物で起こりやすいと言われています。
金属は歯との密着性が良くないため、隙間ができやすいです。
特殊な接着剤を使って歯に付けますが、唾液が接着剤を溶かし、隙間に虫歯菌が侵入して虫歯を進行させます。
二次カリエスは再発するため、治療を繰り返すことになり、最終的には歯を失ってしまう人も多いです。
二次カリエスを防ぐためには、セラミック治療が有効です。
セラミックは歯との密着性に優れており、虫歯菌の侵入を防ぎ、虫歯予防に繋がります。
セラミックは、変色を起こさず汚れが付きにくい素材なため、劣化を起こしません。
長期的に美しい見た目を維持できます。
また、セラミックは、コンポジットレジンや銀歯などの素材よりも寿命が長いです。
「歯をどこに設置するか」「定期的にメンテナンスをおこなっているか」によっても劣化具合は異なりますが、基本的にはセラミックの方が寿命が長いです。
詰め物や被せ物が劣化すると取り替えが必要になります。
その際、歯を削ることもありますので、自分の歯をより多く残したいのであれば、劣化しない素材を選んだほうがいいでしょう。
セラミックは、体への負担が少ない素材です。
アレルギーにより、身体へ悪影響が及ぶこともありません。
銀歯には、水銀やパラジウム、ニッケルなど、有害金属が含まれています。
唾液によって銀歯が溶け出し、有害物質が血液に入り込み、アトピー性皮膚炎、頭痛、めまいなどの悪影響を及ぼします。
場合によっては、身体に有害物質が蓄積されると、金属アレルギーになる可能性もあります。
ですが、セラミックは唾液によって溶け出すことはありません。
歯の素材として、身体に悪影響を及ぼさない優しい素材です。
セラミックの詰め物や被せ物は、虫歯のリスクを下げられます。
銀歯やプラスチックなどの詰め物や被せ物は、表面に歯垢やプラークが付きやすく、口の中がベタベタしやすいです。
ベタベタのなかには、虫歯菌が存在し、長時間放置すると歯と素材の隙間から侵入して、虫歯になりやすくなります。
一方セラミックは、表面をコーディングしているため、汚れが付きにくく、虫歯菌の発生を防げます。
決して虫歯にならないわけではありませんが、ケアをきちんとおこなえば、虫歯になりにくいです。
セラミックの歯にはメリットとデメリットがあり、治療を検討する人も多いでしょう。
セラミックの歯にして後悔した人の声には以下のような声があります。
セラミックは審美性に優れた素材ではありますが、適切なカウンセリングや治療後のメンテナンスを受けないと後悔する結果になってしまうケースもあります。
「セラミックの歯で後悔しないために必要な知識」をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
歯の素材としてセラミックは最適ですが、メリットとデメリットが存在します。
メリットとデメリットを比較した上で、セラミック治療を検討しましょう。
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コラム監修者医療法人はぴねす 理事長 野澤修一
福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」を開院。現在は医療法人じはぴねすの理事長として3医院を運営。