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ハピネスcolumn

公開日:2024年11月28日

出っ歯は自力で矯正できる?自分で治すリスクと正しい治し方

歯並びのなかでも出っ歯を気にしている方は多いでしょう。

「出っ歯は自分で治せるの?」

「自力で矯正するときのリスクは?」

歯列矯正は多くの費用がかかるため、自力で矯正できるなら試してみたいと思われる方もいるかもしれません。

しかし、知識や技術もなく自力で矯正を試みると、歯の寿命が縮んだり歯根が破折したりするなど歯に多くのダメージを与える可能性があります。

そこで本記事では以下の内容について解説します。

・出っ歯は自力で矯正できる?

・自力で出っ歯を矯正する方法例とリスク

・出っ歯を治すおすすめの矯正方法

・出っ歯を悪化させない予防方法

この記事を読むことで出っ歯を自力で矯正するリスクや出っ歯を治すおすすめの矯正方法を理解することができます。

ぜひ参考にしてください。

出っ歯は自力で矯正できる?

結論からいうと、出っ歯を自力で治すことはできません。

出っ歯は単純に前歯が前に出ているだけではなく、噛み合わせや顎の位置などが複雑に関係しています。

歯は20時間一定方向に力を加え続けると、1か月で約0.3㎜動くといわれており、歯列矯正をする際にはマウスピースやワイヤーを使用して少しずつ歯を動かします。

しかし、自力で治そうと無理に力を加えることで、歯を支える歯槽骨にダメージを与えたり歯根が折れたりする可能性があり大変危険です。

自力で出っ歯を矯正する方法

インターネット上では自力で出っ歯を治すためのさまざまな方法が掲載されています。

  • 指を使って前歯を押す方法
  • 割り箸を使用した方法
  • 口周りの筋肉をトレーニングする方法

これらの方法は間違ったやり方や力加減で行うと、あまり効果がないだけでなく歯に大きなダメージを与え、歯の寿命が縮む可能性があります。

興味本位で試したことが、後々取り返しのつかない事態になるかもしれません。

自力で出っ歯を矯正するリスク

自力で出っ歯を矯正するには以下の5つのリスクがあります。

  • 歯並び、噛み合わせが悪化する
  • 歯の寿命が縮む
  • 歯が抜ける
  • 歯根が破折する
  • 最終的に治療費用がかさむ

順番に説明していきます。

歯並び、噛み合わせが悪化する

同じ出っ歯でも人によって歯の向きや骨格の状態は異なります。

歯列矯正をする際には、さまざまな検査をした後、歯科医師が細かい計画を立てて治療を行います。

しかし、インターネット上の情報を鵜呑みにして無理に歯を動かそうとすると、間違った方向に歯が動く可能性があり大変危険です。

本来の歯並びよりも見た目が悪くなり、噛み合わせ自体も悪化するでしょう。

口の周りの筋肉は首や肩の筋肉と繋がっているため、噛み合わせが悪く偏った噛み方になると、首や肩まで不調をきたす可能性があります。

歯の寿命が縮む

自力で出っ歯を矯正しようとすると、歯の寿命が縮む恐れがあります。

歯列矯正では長い時間をかけて、少しずつ歯を動かします。

しかし、自力で出っ歯を矯正しようと、力任せに歯を強く押すことで歯や顎の骨に過剰な負担がかかるため注意が必要です。

歯を支える歯槽骨にダメージがかかったり歯根が折れたりすると、将来的に歯を抜かなければならない可能性があります。

歯が抜ける

自力で出っ歯を矯正しようと歯に過剰な力を加えると、歯や歯槽骨にダメージを与えてしまいます。

歯槽骨とは歯を支えている骨のことをいい、ダメージを受けた歯槽骨は吸収されてなくなるため、歯を支えきれなくなってしまいます。

次第に歯はグラグラと揺れ、痛みが出たり噛みにくい症状が出たりすると最終的には歯を抜かなければなりません。

放置すると自然に抜ける場合もあります。

歯根が破折する

歯に過剰な力が加わることによって、歯根が破折する可能性があります。

歯根破折とは歯の根にヒビや亀裂が入ることをいい、痛みや冷たいものがしみるなどの症状があります。

見た目では判断が難しく、レントゲンを撮って初めて判明する場合が多いでしょう。

治療方法はなく、歯根破折が判明した際には歯を抜かなければなりません。

最終的に治療費用がかさむ

自然に歯が抜けたり歯根破折によって抜歯をしてしまったりすると、歯がなくなった場所に入れ歯やブリッジ、インプラントなどの補綴物を入れなくてはなりません。

歯列矯正にかかる治療費だけでなく、補綴物の治療費も加算されると最終的に治療費がかさむ可能性があります。

歯列矯正はもともと治療費が多くかかるため、追加の治療費は避けたいものです。

歯が抜ける可能性や歯根破折の可能性があるので、自力での矯正はやめましょう。

出っ歯を治すおすすめの矯正方法

出っ歯を治すためには以下の3つの矯正方法がおすすめです。

  • ワイヤー矯正
  • マウスピース矯正
  • 部分矯正

それぞれメリット・デメリットがあるため、自分の生活スタイルや歯並びに合わせて矯正歯科で相談してみましょう。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は固定式の矯正装置です。

1本1本の歯にブラケットとよばれる装置を固定し、ワイヤーを通して歯を動かします。

歯の表側に装置をつける表側矯正と、歯の裏側に装置をつける裏側矯正があります。

どちらもさまざまな症例に適応できるメリットがあり、歯を大きく動かす場合や骨格から矯正が必要な方におすすめです。

表側矯正は矯正装置が目立つ点、裏側矯正は矯正装置が舌の動きを制限するため発音しにくい点がデメリットです。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は自分で取り外し可能な矯正装置です。

通常、1日20時間以上装着し、2週間ごとに新しいマウスピースに交換します。

無色透明な装置を使用するため矯正装置が目立ちにくい点や、取り外し可能なため歯磨きがしやすい点はメリットといえるでしょう。

しかし、すべての症例に適応しない点はデメリットです。

マウスピースでは歯を大きく動かすことができないため、重度の出っ歯や骨格から動かさなければならない症例には適応しません。

部分矯正

部分矯正とは歯列の一部分のみ矯正を行う方法のことをいい、全顎矯正と比べて治療期間が短く、費用が抑えられるなどのメリットがあります。

軽度の出っ歯であれば、部分矯正で治せる可能性があるでしょう。

軽度の出っ歯とは以下のような状況です。

  • 噛み合わせに問題がない
  • 骨格は正常
  • 歯が重なっている領域が少ない

見た目の改善が目的のため、噛み合わせを治したり、歯を大きく動かしたりすることはできません。

出っ歯を悪化させない予防方法

出っ歯になってしまう原因には、悪習慣が関係している可能性があります。

  • 爪噛み
  • 頬づえ
  • 舌で前歯を押す
  • 指しゃぶり
  • 口呼吸

このような癖がある方は要注意です。

爪噛み、頬づえ、舌で前歯を押す、指しゃぶりなどは気づかないうちに歯に力をかけているため出っ歯になりやすいです。

また、口呼吸で常に口が開いている状態は舌の位置が下がり、上顎の成長を妨げてしまいます。

舌の位置は通常、上顎に先端が触れる位置に収まっていて、この位置にあることで上顎の成長を促しています。

しかし、舌の位置が下がることで上顎が成長できないため、歯列が綺麗に並ばず出っ歯になってしまうのです。

普段何気なく行っている習慣が出っ歯を悪化させているかもしれません。

心当たりのある方は意識して改善する必要があるでしょう。

まとめ

インターネット上では自力で出っ歯を治す方法が掲載されています。

歯列矯正は多くの時間とお金がかかるので、自分で治せるなら試してみたいと思う方もいるでしょう。

しかし、知識も技術もないまま出っ歯を自力で矯正しようとすると、歯並びや噛み合わせが悪化したり、歯の寿命が縮まったりするので大変危険です。

まずは出っ歯を悪化させる爪噛みや頬づえ、口呼吸などの悪習慣を見直すことから始めてみてはいかがでしょうか。

悪習慣の改善は、歯列矯正後の後戻り防止にもなります。

そして、出っ歯を治すにはやはり矯正歯科で歯列矯正をおすすめします。

ワイヤー矯正、マウスピース矯正、部分矯正などの方法は症例に合わせて選択されるため、自分の歯並びがどの矯正方法に適応するのか矯正歯科で相談してみましょう。

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コラム監修者医療法人はぴねす 理事長 野澤修一

院長

福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」を開院。現在は医療法人じはぴねすの理事長として3医院を運営。

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