公開日:2021年3月9日
ダイレクトボンディングには、「ハイブリッドセラミック」と呼ばれるセラミックとレジン(合成樹脂)を8対2の割合で混ぜ合わせた素材が使われます。
レジンには吸水性があるため、単体では変色しやすい特徴があります。
しかし、吸水性のないセラミックが混ざることで、変色しにくく審美性が高くなりました。
ただ、変色を完全に防げるわけではありません。
今回は、ダイレクトボンディングが変色する原因と変色してしまったときの具体的な対処方法を紹介します。
ダイレクトボンディング治療部分の変色にお困りの方はぜひ参考にしてください。
ダイレクトボンディングが変色する原因は主に2つあります。
ハイブリッドセラミックには、プラスチックが含まれているため、経年劣化による変色が起こります。
経年劣化とは、時間とともに品質が低下することです。
口腔内は、常に食べかすによる汚れや多数の細菌にさらされている状態です。
唾液の自浄作用によって洗い流されますが、年数が経過するほど蓄積されていくため、定期的な研磨やクリーニングなどのメンテナンスが必要になってきます。
ただし、ケアを怠ってしまい、一度変色してしまったら、放置しても元の色合いには戻りません。
変色を防ぐためには定期健診を行い、色合いや艶を維持していく必要があります。
ハイブリッドセラミックには、吸水性のあるプラスチックが混ざっていることから、着色による変色が起こります。
吸水性とは液体状の水分を吸い取る性質のことです。
色素が濃い飲料品(コーヒーやワイン、紅茶、お茶など)を飲む習慣がある方や喫煙習慣がある方は、通常よりも着色しやすくなります。
ダイレクトボンディングが変色した場合の対処方法を2つ紹介します。
ダイレクトボンディングで治療した部分が変色した場合は、再治療を受けることで元の色に戻せます。
コンポジットレジンの治療と同様に保険適用されるため、少額での治療が可能です。
しかし、再治療を行うと、変色した治療部分を削る際に天然歯も削られてしまいます。
ダイレクトボンディングにも寿命があるため、再治療の回数が増えると、少しずつ治療範囲が増えてしまい、自分の歯を失うという悪循環になってしまいます。
着色による汚れは、歯面研磨をすることで白色に戻ることも多いです。
歯面研磨には、専用の機器とフッ化物入り研磨剤を使って、歯の表面を研磨していきます。
また、クニーニングでは、歯磨きでは落とせない歯石やみがき残したプラーク(歯垢)も落としてくれるため、虫歯や歯周病予防にもつながります。
ダイレクトボンディングは、変色しにくい素材「ハイブリッドセラミック」が使われていますが、経年劣化や着色によって変色は起こります。
ダイレクトボンディングの再治療や歯のクリーニングによって変色部分は白く治せます。
しかし再治療の場合は、変色した部分を削るサイトに、自然歯も削られてしまい、自分の歯を失ってしまいます。
日頃の歯磨きや定期健診をしっかりと行い、ダイレクトボンディングの変色を防ぐようにしましょう。
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コラム監修者医療法人はぴねす 理事長 野澤修一
福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」を開院。現在は医療法人じはぴねすの理事長として3医院を運営。