公開日:2023年6月28日
「セラミックの歯って虫歯になりやすいのか」気になっている方が多いのではないでしょうか?入れ歯を選ぶときに虫歯になりにくい歯を探していると、セラミックという素材について以下のように気になってはいませんか?
「セラミックの歯って虫歯に本当になりにくいの?」
「逆にどういう素材なら虫歯になりやすいの?」
「虫歯になりにくいとはいえ、もしセラミックの歯が虫歯になったら治療できるの?」
セラミックという素材は陶器であるため、虫歯になりにくいです。
ただし、もちろんセラミックの歯でも虫歯になるケースも多く存在しています。
そこで今回は以下のトピックについて解説します。
この記事ではセラミックの歯はどうして虫歯になりにくいのかという原因や、もしセラミックの歯が虫歯になってしまった場合の対処方法などを解説します。虫歯になりにくい素材としてセラミックの特徴を知りたい人はぜひ参考にしてください。
セラミックの歯は主に以下の3つの理由から虫歯になりにくいです。
セラミックの歯は形状が長く維持できるため、虫歯になりにくいです。たとえば金属の詰め物であれば、長く唾液にさらされ続けることで少しづつ溶けて変形を始めます。
変形によってできた隙間に歯垢が溜まるため、虫歯になってしまいます。一方で、セラミックであれば、唾液に反応して溶け、変形することはありません。
そのため、半永久的に形状が維持できるので虫歯のリスクも低くなります。
セラミックという素材を使うと歯の表面に歯垢が付着しにくいという特徴があります。
金属やプラスチックは天然歯よりも歯の表面に歯垢が付きやすく、セラミックは天然歯よりも歯垢が付きにくいです。
そのため、金属やプラスチックと比べて圧倒的に虫歯のリスクを軽減できます。
セラミックは温度による歯の膨張や収縮がないため、熱い食べ物や冷たい飲み物を飲んだとしても歯が変形せずに歯垢が溜まりません。
一方で金属は食べ物や飲み物の温度で膨張・収縮が起きて歯に段差が生じたりといった変形の可能性が高いです。セラミックはこういった飲食物の温度による変形のトラブルが起こりにくいので虫歯が起こりにくい素材だと言われています。
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セラミックと違い、銀歯は虫歯になりやすいです。それには主に以下の4つの理由があります。
銀歯の特徴ともいえる理由なので、理解しておくとセラミックへの理解が変わるでしょう。
銀歯のような金属の素材では唾液にさらされ続けると、歯が溶け始めて、隙間ができるため虫歯になりやすいです。そして隙間ができてしまうと食べかすや細菌が溜まりやすく、繁殖しやすいため虫歯のリスクを一気に高めてしまいます。
それだけでなく、口臭もきつくなりやすいです。隙間ができてしまった場合は歯科医師に相談するか、隙間の細菌や汚れをこまめに取るようにしましょう。
銀歯は、食べ物の温度によって歯が膨張したり、収縮したりを繰り返し続けるので虫歯のリスクが高いです。たとえば、熱い食べ物や飲み物を飲んだりするだけで金属は膨張して、放っておくだけでも勝手に収縮をしてしまいます。
この膨張と収縮が食事をするたびに繰り返されると、歯が変形して隙間が生じるでしょう。そのため、虫歯のリスクが一気に高くなります。
保険適用される銀歯治療は自費診療のセラミック治療ほど精密に作られていません。そのため、銀歯治療は、天然歯との境目に段差が生じやすいです。
段差がもともとある状態は、膨張や収縮を繰り返す銀歯の特性上、段差が広がり汚れや細菌が溜まりやすいでしょう。こういった可能性から虫歯になる可能性が高いです。
銀歯はそもそもセラミックと比べて汚れや細菌がつきやすいという特徴があります。それは金属という素材の特徴上、表面に細かな傷がつきやすいため汚れや細菌がつきやすいです。
そのため銀歯の周りの天然歯の虫歯のリスクは高いとあらかじめ認識しておきましょう。
セラミックの歯が虫歯になった場合は以下の流れで対処した方がいいでしょう。虫歯になった場合の対処方法を理解しておくことで、いざというときに冷静に対応できます。
セラミックの歯が虫歯になると、いくらブラッシングをしても効果はありません。そのため、異変を感じた際はすぐに歯科医院に足を運び、以下の流れの治療を受けましょう。
虫歯になっている場合、まず補填物を外して中の状況を確認するところから始まります。気付かないうちに補填物の中で虫歯が進行していて、歯の神経まで侵食してたら治療が非常に大変です。
そのため、補填物の中で天然歯がどれくらい侵食されているのかといった状況を確認するところから治療が始まります。
虫歯の進行具合を確認すると次は除菌です。程度にもよりますが、神経近くまで侵食されていた場合はヒールオゾンという塩素の7倍の殺菌能力の治療方法で除菌して、内部からの虫歯再発を防止します。
口の中の虫歯菌を除去できると次はセラミックの作製です。セラミックは虫歯再発防止にも非常に強力なので、もう一度口内に入れて本装着のための準備をおこないます。
この際に歯の表面も研磨してフィット感を高めるところまでおこなってもらうと良いです。
実際の歯型に合わせたセラミックが完成したら、いよいよ装着の工程に移ります。セラミックにはさまざまな色調や硬度の種類があるので、どこの歯に入れるのかに適した種類を選びましょう。
歯科医師と綿密に相談しながら、他の患者さんの症例も見せてもらいながら決められると後悔しないです。
セラミック治療の中にも虫歯になりにくい方法が存在しています。
主に以下の3つの素材が虫歯になりにくいので、歯科医院に行く際は以下の方法の特徴を抑えたうえで、自分に合う治療方法を教えてもらうようにしましょう。
すべての歯をセラミックで作る治療方法です。陶器で歯を作るため、天然歯と見分けがつかないほどの白さと美しさを手に入れられるでしょう。
また歯の中でも細かな色調を表現できるのもポイントで、より自然な色調に調節することも可能です。さらに汚れが付きにくいため、虫歯や歯周病といったリスクも圧倒的に抑えられます。
ただし、費用がかさみやすく高ければ20万円ほど必要になります。また、銀歯よりも脆い面もあるので、口に衝撃が加わると歯が割れるデメリットもあるので、認識しておきましょう。
e-maxとはガラスセラミックと言われる素材です。ガラスとセラミックの優れた点を組み合わせた素材で、熱膨張率の圧倒的な低さと透明感に優れています。
特に前歯といった人の目に触れるポイントに使用されることが多いほど透明感と審美性の高さです。またオーラルセラミッククラウンと比較した場合、ガラス素材を混ぜているため圧倒的な耐久性が高く、費用もそこまで高額にならない点も魅力的でしょう。
セラミック治療の一つに人工ダイヤモンドと言われているジルコニアを使った治療があります。この治療も虫歯の可能性を低くします。
ジルコニアの最大の特徴は硬度の高さで、奥歯のような強い力がかかる歯であっても問題なく使用可能です。オーラルセラミックやe-maxと比べると審美性や透明性は劣るものの、天然歯に近い自然な美しさは演出できます。
セラミックの歯で虫歯が再発しないよう、以下の2つに注意しておくと良いです。セラミックが虫歯になりにくいとはいえ、再発防止に努めましょう。
虫歯の再発を防ぐには、ご自宅でしっかりブラッシングすることが最も効果的です。セラミックの歯が虫歯になりにくいとはいえ、一度虫歯になってしている場所であれば再発の可能性はあります。
そのため、普段から食後にブラッシングを徹底したり、マウスウォッシュを定期的にしてみたりしましょう。
歯科医院に定期的に通うことでメンテナンスをしてもらうのも効果的です。いくら気を付けていても歯に汚れがついていたり、セラミックの歯が変形していたりすることもあります。
そのため、1か月〜3か月に一度は歯科医院に通院して、歯の汚れを取ってもらったり、セラミックの歯にダメージがあったりした場合は、迅速に対応してもらうようにしましょう。
セラミックは陶器であることから銀歯のような金属とは違い、非常に虫歯になりにくい特徴がありますが、それでも虫歯になるケースはあります。
そのため、油断せずに日頃のブラッシングやマウスウォッシュといったケアをおこたらずに続けましょう。定期的にセラミックの歯に問題がないか歯科医師に確認してもらうとより長期的に綺麗で美しい歯を保ち続けられるので、意識しておくと良いです。
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コラム監修者医療法人はぴねす 理事長 野澤修一
福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」を開院。現在は医療法人じはぴねすの理事長として3医院を運営。