ダイレクトボンディングの平均寿命|耐久性が悪くなる要因とは?
今回は、ダイレクトボンディングの寿命についてお伝えします。
本記事での寿命とは、「虫歯や脱落など、何らかのトラブルが出るまでの期間」を示しています。
目次
ダイレクトボンディングの平均寿命は?
ダイレクトボンディングの寿命は4〜6年です。
ダイレクトボンディングには、セラミックとレジンを混ぜ合わせて作られた「ハイブリッドセラミック」という素材が使われます。
セラミックには、「透明感がある」「丈夫」「汚れにくい」といった特徴があり、レジン単体よりも耐久性が上がり、長期間劣化を防ぐことができます。
また、セラミックが含まれることで、審美性も良くなるため、より自然な歯を再現することができます。
レジンの平均寿命
一方、レジンの寿命は2〜3年です。
レジンはプラスチックであるため、「強い衝撃に弱い」「磨耗しやすい」「変色しやすい」といったデメリットがあります。
保険が適用されるため安価で治療できますが、平均寿命はハイブリッドセラミックの約半分になるため、持ちは良くありません。
ダイレクトボンディングの寿命を短くする要因
ダイレクトボンディングの寿命は、歯の状態や日頃のセルフケアによって変わってきます。
ここでは、ダイレクトボンディングの寿命を短くする要因を3つ紹介します。
歯磨きの仕方が悪い
毎日の歯磨きの仕方によって寿命は変わります。
正しい歯磨きをして歯垢を除去できれば、虫歯予防になり、寿命を伸ばすことができます。
歯磨きのみでは、口腔内全体を清潔に保つことは難しいため、フロスやワンタフトブラシなど他のグッツを活用し、適切なケアを心がけてください。
自分の歯磨きの仕方に不安を感じる方は、定期検診の際に、歯科衛生士にケア方法を聞けば直接レクチャーしてくれます。
歯並びが悪い
歯並びが悪いことでも寿命が短くなってしまいます。
理由は、虫歯になりやすくなるためです。
歯並びが悪いと、歯磨きで磨き残しが多くなり、プラークや歯石がたまりやすくなります。
プラークには虫歯菌が住み着いており、砂糖などの炭水化物を栄養にして酸を出し、歯をエナメル質を溶かします。
溶けた部分から虫歯が進行していきます。
ダイレクトボンディングによる詰め物やかぶせ物の寿命を伸ばすためにも、歯並びが極端に悪い場合は矯正治療を並行して進めましょう。
噛み合わせが悪い
噛み合わせが悪いことでも寿命が短くなります。
噛み合わせが悪いと、特定の歯のみに力が加わり、ダイレクトボンディングによって治療した部分に負担がかかり続け、突然欠けてしまうことがあります。
噛み合わせは、以下の生活習慣があることで悪化するため注意が必要です。
・頬杖をつく
・足を組んで座る
・咀嚼が片方に偏っている
・歯ぎしり
・食いしばり
噛み合わせが悪い場合も矯正によって治療なケースがありますので、一度診察してもらいましょう。
まとめ
ダイレクトボンディングの寿命は、平均して4〜6年程度です。
日頃のケアや歯の状態によって寿命は変動するため、適切なメンテナンスを行いましょう。
また、素材の劣化は自分で確認できないため、劣化具合を確認するためにも、定期的に歯科医院で検診を受けるようにしてください。
コラム監修者
- はぴねす歯科・矯正歯科 石橋駅前クリニック 総院長 野澤 修一
- 福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」、2022年11月に「尼崎駅前クリニック(兵庫県尼崎市)」を開院。現在は医療法人はぴねすの理事長として4医院を運営。